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札幌駅前エスタ跡再開発、工事費高騰で計画見直し JR北海道
2025年3月21日 16:46
JR北海道は、商業施設「エスタ」跡地等で計画している札幌駅前再開発について、工事費高騰の影響から計画を見直すと発表した。当初は2つの街区を一体で開発する計画としていたが、建物を分割して街区ごとに段階的に整備する。各街区は、2030年度および2034年度竣工予定で進められる。
「北5西1・西2地区第一種市街地再開発事業」として進められているプロジェクト。23年夏に閉店したJR北海道グループ運営の商業施設エスタ跡地、および札幌市が保有する用地を一体とした、2ヘクタール超の大規模開発となる。
当初は西2丁目と西1丁目を一体で再開発を行ない、28年度に開業することを目指していたが、工事費高騰の影響が著しいことから、23年冬より対応策の検討に着手。規模縮小や工期延伸等を計画に反映したものの、当初計画の2倍強となる約3,700億円の工事費が提示されたため、計画を抜本的に見直すこととした。
JR北海道は工事費高騰の要因について、全国的な資材高騰に加えて、全国・道内で多数の大型プロジェクトが重複しているため、労務の競合が起こっていることにあると分析。また、同事業が規模の大きい複合ビルのため、一定期間に過度に工事が集中し、労務コストが嵩むことも要因に挙げた。
そこで、両街区一体の建物ではなく、建物を分割して街区ごとに段階的に整備し、両街区の工事の重複期間を最小化。工事量を平準化して労務負荷の軽減を図る。具体的には、旧エスタと同規模の西2丁目を先行して30年度竣工を目指して整備。西1丁目は34年度の竣工を目指す。
まちづくりの基本的な考え方や導入する用途は大きな変更をせず、新幹線札幌開業を見据えた都市空間を整備するとしている。
西2丁目の主な用途は商業施設とバスターミナルとし、南口駅前広場と建物をつなげる駅前広場アトリウム、東西歩行者ネットワーク等の交通結節機能を整備する。西2丁目計画の規模は、地上10階・地下2階、延床面積約90,000m2。
25年度はエスタ解体工事を本格的に進めるとともに、西2丁目の基本設計と並行して西1丁目も含めた全体計画を取りまとめる。