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アドビ、Firefly“以外”の他社AIモデルも活用へ グーグルVeo 2など

アドビは18日(米国時間)、同社ツール内で「アドビ以外が作ったAIモデル」を併用可能にしていく、と発表した。同社はマーケティング事業向けイベント「Adobe Summit 2025」を開催中で、それをうけての発表となる。

まずはBlack Forest Labs(Flux 1.1 Pro)、fal(アップスケーラー)、Google Cloud(Veo 2、Imagen 3)、Runway (Runway Frames)が利用可能になり、今後他のモデルも導入されていく。

それらのモデルとFireflyの切り替えは、まずは「Adobe Express」と、現在テスト公開中のコンセプト探索ツール「Project Concept」が対象。数週間以内に利用可能になる。

ブログの中で、アドビ・デジタルメディア担当 CTO(最高技術責任者)のイーライ・グリーンフィールド氏は「クリエイターがどのモデルであっても、いつ・どのプロジェクトに使用するかを制御し、選択肢を与えられるよう、ツールに直接組み込むことを目的としている」としている。

従来と同様、企業が利用する場合、権利的にクリアーで問題の少ないコンテンツが生成されるFireflyの活用が想定されているが、クリエイター側でより自由度を求める場合などには、他のモデルを選べるようにする。

どのモデルを選んだ場合でも、使用過程やアップロードした情報はAIの学習に使われることはない。

同様に、どの生成AIを使った場合でもContent Authenticity Initiative(CAI)の規格にのっとって電子透かしが記録される。その中には、「生成AIを使っている」ことはもちろん、「どのモデルを使って生成しているのか」も記述されている。この点は、従来Fireflyを使った時と変わらない。

アドビでGlobal Head of New Business Ventures & Founder of Fireflyを務めるHannah Elsakr氏は、Adobe Summit会場で筆者の質問に以下のようにコメントしている。

「パートナーのAIを組み込むためのエコシステムをオープンにしていく。詳細は今後さらに発表される予定だ。クリエイターは、『モデルの違いによって違う部分が自分により向いている、という発見があるかもしれない』という点を期待している。また将来的には生成AIも、モデル自身は差別化要素ではなくなる可能性がある。そのモデルをどう使うか、という周辺の部分が重要になるが、弊社はそうした部分に多数の仕組みを持っている」