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NVIDIA、世界初のヒューマノイドロボット用オープン基盤モデル「Isaac GR00T N1」

NVIDIAは、ヒューマノイドロボット向けのオープンな基盤モデル「Isaac GR00T N1」を発表した。汎用ヒューマノイドロボットのリーズニングとスキルのための、世界初のフルカスタマイズ可能なオープン基盤モデル。

GR00T N1は、NVIDIAが事前トレーニングを行ない、ロボティクス開発者向けにリリースする予定のフルカスタマイズ可能なモデルファミリーとして初めて提供されるもの。人間の認知の原理に着想を得た、「速い思考」と「遅い思考」によるデュアルシステムアーキテクチャが特徴。「System 1」は、人間の反射的や直感を反映した素早い思考の行動モデルで、「System 2」は、じっくりと考え、理路整然とした意思決定を行なうためのモデル。

視覚言語モデルを活用したSystem 2は、環境と受信した指示に基づいて思考し、行動を計画。その後System 1が、これらの計画を、正確で連続的なロボット動作に変換する。System 1は、人間によるデモンストレーションデータとNVIDIA Omniverseプラットフォームによって生成された膨大な量の合成データでトレーニングされている。

これにより、掴む、片方または両方のアームでものを動かす、ものを片方のアームから別のアームに移動させるといった共通のタスクを容易に一般化し、スキルの組み合わせを必要とする複数のステップを実行できる。これらの機能は、マテリアルハンドリングや、包装、検査などのさまざまなユースケースに対応可能という。

開発者らは、特定のヒューマノイドロボットやタスク向けに、実データや合成データを使ってGRO00T N1を事後トレーニングできる。

米国で開催中のGTC 2025では、GR00T N1によりトレーニングされた1Xのヒューマノイドロボットが、家庭用の整頓タスクを自律的に行なう様子を公開している。