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Google、5m四方で山火事を見つける衛星「FireSat」
2025年3月18日 13:10
Googleは、山火事を早期に発見する衛星コンステレーション「FireSat」システムの最初の衛星が打ち上げられ、通信を確立したと発表した。50基以上のコンステレーションとして今後数年以内にシステムが完成する予定。取得される画像は5m四方の解像度で、20分おきに更新され、世界中をカバーする。運用が開始されると、発生した山火事の状況をGoogle マップなどで見られるようになる見込み。
FireSatのシステムでは、問題のある場所が発見されると、AIが過去の画像と迅速に比較、近くのインフラや現地の天候などの要因を考慮した上で、火災が発生しているかどうかが判断される。山火事として検知されると山火事マップが作成され、大きく燃え広がる前に発見・確認でき、当局の対策を支援する。また一般の市民も、Google 検索やGoogle マップで、山火事のおおよその規模や位置を確認できるようになるとしている。
FireSatはGoogleが参加する共同プロジェクトによる取り組み。米カリフォルニアで4年前に発生した山火事を機に計画された。この時、山火事に関する衛星画像は12時間おきにしか更新されず、山火事対策の課題になっていたという。
また、これまでの衛星を使うAIベースの山火事検知システムは、衛星画像を5分おきに取得できたものの、解像度が非常に粗く、山火事が大きな規模になるま発見できないという課題があった。山火事の主な原因は山岳地帯や山林への落雷で、ほとんどの場合は飛行機やドローンが飛行していないエリアとなり、こうした航空機などの手段で山火事の発生を早期に発見するのも難しかったという。
このほか、近年になって衛星システムのコストが下がったこともFireSatの実現を後押しした。FireSatの最初の衛星は、SpaceXのTransporter-13ミッションで打ち上げられている。
システム完成後は、早期発見だけでなく、山火事の挙動をより良くモデル化し、山火事の基礎化学の進歩や記録にも貢献するとしている。