ニュース

東急 千鳥町駅が“木になる”駅に 開業100年の駅舎刷新

五反田方面ホーム屋根 イメージパース

東急電鉄は、池上線 千鳥町駅において、木材を活用した駅リニューアル工事「木になるリニューアル」に、3月26日に着手する。2026年秋頃の竣工予定。

東急電鉄では、なにげない行動からだれもがこれまで以上に森林資源の循環に貢献できる“木と人がめぐるまちづくり”を目指す「SOCIAL WOOD PROJECT」に取り組んでいる。「木になるリニューアル」はその一環で、池上線 戸越銀座駅・旗の台駅・長原駅で実施してきた。

左から、戸越銀座駅(2016年度)、旗の台駅(2019年度)、長原駅(2021年度)

千鳥町駅は駅舎開業から約100年が経過しており、ホーム屋根の建替え・延伸や駅舎内外装および旅客トイレのリニューアルなどによって、安全性・快適性や環境性能の向上を図る。加えて、木材を活用したリニューアルによる、親しみやすく温かみが感じられる駅づくりを推進する。

これまでの「木になるリニューアル」では東京都多摩地区で生育・生産される木材「多摩産材」を活用してきたが、千鳥町駅では、東急と2023年4月に包括連携協定を締結した秋田県で生産される木材「あきた材」も取り入れる。多摩産材による“地産地消”と、あきた材による“地産都消”に取り組むとしている。

ホーム側壁の一部には秋田県の伝統技術を活かしたアートウォールを設置。あきた材の活用にあたっては次の100年にも配慮し、駅の構造材としての役割を終えた後も分解して再利用しやすい設計とする。

また、駅利用者の快適性と利便性向上を目的として、駅ごとに定期的なトイレリニューアルに取り組んでいる。千鳥町駅においては、多機能トイレとは別に、男女トイレ内にもベビーカーが入れる広さを備えたブースを設置し、おむつ替えスペースを整備する。

既存の駅舎に利用されてきた古材(えきもく)については、利用しやすい建材・インテリアグッズなどに加工して「ステーションウッド」として販売するなど、資源の再循環に取り組む。ステーションウッド(建材)の販売場所は、古材日和グループ 東京ショールーム 兼 ショップ、古材日和グループ全国各店、古材日和グループ販売サイト。

加工前の旧池上駅駅舎の古材。当時の駅舎の塗装や釘などが残っている
ステーションウッド商品一例

SOCIAL WOOD PROJECTにおいて、木材活用をコア事業と位置付けている。駅をはじめとする東急電鉄の施設、設備やまちの中における木材活用の機会を創出し、広げることを目指す。同プロジェクトではそのほか、地方創生、CSV(共創価値創造)の社会実装、コミュニティ醸成において展開しており、LINEヤフーや古材日和グループといった共創パートナーや、沿線住民とも連携しながら推進している。

SOCIAL WOOD PROJECTのロゴ(左)とビジョンマップ(右)