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Perplexity法人プランをソフトバンクが販売 AI浸透の“先鋒”に

Perplexity(パープレキシティ)はソフトバンクと連携し、生成AIの検索・回答エンジンを提供する「Perplexity」の法人向けプラン「Perplexity Enterprise Pro」を3月から日本で展開する。ソフトバンクと再販契約を締結、ソフトバンクが国内の法人向けに販売していく。

Perplexityとソフトバンクは2024年6月に戦略的提携を締結、ソフトバンクやワイモバイル、LINEMOの携帯電話契約者に無料トライアルを提供するなど、連携した取り組みを行なっている。Perplexityは、個人向けサービスを展開する中で、顧客の動向などから法人向けのニーズも高いと判断し24年4月に「Enterprise Pro」を開発しており、日本での展開が3月から開始される形。

Enterprise Proはこれまで欧米を中心に展開、提供から約1年で4,000社以上に導入された実績があるとし、この中にはNVIDIAなど大手企業も含まれる。一方、Enterprise Proの大規模な再販契約はソフトバンクが世界初で、「ソフトバンクの豊富なネットワークとリソースを利用して、業務向けに、数多く提供できることを期待している」(Perplexity Head of Enterprise Partnershipsのエミリー・ジョーゲンズ氏)と、日本展開に勢いをつけたいという狙いがある。

Perplexityの特徴は、OpenAIやAnthropicといった複数の生成AI企業のサービスをひとつに束ね、検索エンジンを使うように、正確で引用元を明示した回答を得られること。インターネット上の最新情報もカバーする。LLM自体の開発ではなく、ユーザーが求める“回答”にフォーカスするというスタンスをとっている。Enterprise Proは、こうした特徴を引き継ぎながら、独自データソースからの情報や、社内データの検索や分析ができるといった法人向けサービスならではの機能も提供する。

すでに展開されている欧米で導入した企業は、金融業界が最も多く、テクノロジー、IT、教育、コンサルティングと続く。また同社のサービスは企業内の部署単位でまず導入され、その後に評価を高めて全社に導入されるケースも多いといい、NVIDIAなどはこれに該当するという。

当然ながら企業の社内データの扱いは高いセキュリティが確保されているとし、他社と共有されないほか、検索クエリも学習に用いられない。

Enterprise Proの今後のロードマップについては、大手のクラウドストレージサービスとの連携を予定。GmailやSlackといったメール・コミュニケーションサービスとの連携にも取り組んでいく。

日本での再販契約を締結したソフトバンクは、Enterprise Proを、最先端のAIを体験できる入り口として捉えている。企業においてAIの導入やその規模はさまざまに異なるが、まず、AIを有効活用できるという体験をPerplexityで提供し、さらにAIを活用したいという場合は、ソフトバンクが取り扱うほかのAIサービスも含めて、利用の拡大につなげていく方針。

ソフトバンクはEnterprise Proについて、Perplexityの担当社からも説明されたように、企業全体で一括導入というケースよりも、機動的に導入できることから、部署やチームで導入するケースがまずは多いと予想している。また、業種に依存しない展開が可能としており、ソフトバンクの営業網で幅広い展開を図っていく。