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神戸新アリーナ「GLION ARENA KOBE」を見てきた かつての「突堤」が変貌
2025年3月3日 20:35
およそ1万人を収容できる多目的アリーナ「GLION ARENA KOBE」(ジーライオンアリーナ神戸)が3月1日に竣工を迎え、4月4日に開業する。
ジーライオンアリーナ神戸は、スボーツやライブ、イベント、コンベンションなどに幅広く対応、約1万人の収容能力があるという。4月からは、プロバスケットボール・Bリーグ「神戸ストークス」が本拠地とし、また「MISIA」「あいみょん」「蓮ノ空女学院スクールアイドルクラブ」など、数々のアーティストのライブ開催も決定している。
ジーライオンアリーナ神戸は神戸市中央区の「新港突堤西地区」(第2突堤)にあり、海に向かって細長く突き出た突堤が、アリーナや公園を含むエリア「TOTTEI」に変貌を遂げる。バスケットボールの試合やライブ・イベントがない日も、神戸の新しいお出かけスポットとして賑わいを見せるだろう。
こけら落としとして、4月5日にバスケットボール・B2リーグ戦「神戸ストークス 対 山形ワイヴァンズ」の開催が予定されている。開業に先立ち3月3日に行なわれた、報道陣向けの内覧会に足を運んだ。
遠方からも新幹線・飛行機・フェリーでアクセスしやすい
ジーライオンアリーナ神戸の所在地は神戸市中央区新港町2番1号。JR神戸線 三ノ宮駅、阪神本線 神戸三宮駅、阪急神戸線 神戸三宮駅から1.5~1.8km程度の距離にあり、徒歩なら17~20分といったところ。
バスなら、山陽新幹線 新神戸駅や三宮駅から循環バス「ポートループ」で「神戸ポートオアシス前」下車すぐ。また神戸市バス29系統「税関前」バス停からは徒歩10分程度だ。
飛行機なら、神戸空港から鉄道(ポートライナー)に乗り継ぎ、貿易センター駅で降りて徒歩13分。さらに、隣の敷地には香川県・高松市や宮崎市からのフェリーが発着する「神戸フェリーターミナル」があり、下船後すぐに移動できる。
地元・神戸からだけでなく、新幹線・飛行機・フェリーでのアクセスも容易なジーライオンアリーナ神戸は、遠方からライブに“参戦”しやすい環境といっていいだろう。
神戸の「1万人収容アリーナ」に潜入
神戸ストークスは、2023年に兵庫県西宮市から神戸市に本拠地を移転したばかり。兵庫県の県鳥に指定されている「コウノトリ」の英語表記をもとに、チーム名を「ストークス」とした。
2026年に開幕する日本バスケ界の新たな最高峰リーグ「B.LEAGUE PREMIER」に初年度から参入することが決定しており、新しいアリーナでは年間約30試合を開催。さらなる集客が期待できる。
ジーライオンアリーナ神戸での神戸ストークスの試合では21種類のシートがあり、もっともお手頃な「アッパースタンド」から、最前列の「バウムクーヘンシート」(プレミアムシート。「ユーハイム」とのネーミングライツで改称)まで、2,200円~18,000円と幅がある(大人・一般前売りの場合)。
新しいアリーナの座席は、座面にクッション性があって座り心地が良く、観戦環境としてはかなり快適だ。
天井から吊るされた大型のハングビジョン、壁面の常設LEDビジョン、全長183mのリボンビジョンが、バスケットボールの試合やライブに迫力ある映像演出を加えてくれる。
また音響設備には、バスケットボールの本場・アメリカのNBAで使用されているスピーカーを導入。迫力のある音響で、ジーライオンアリーナ神戸ならではの迫力あるスポーツ観戦・ライブ参戦ができそうだ。
もちろん、エスカレーター・エレベーター完備で、最上階(5階)までのフロアへの移動も楽に行なえる。授乳室なども完備しており、小さな子供を連れての来場も、安心してできそうだ。
報道陣に特別公開 普段は入れない「選手ロッカー」潜入
名前が刻まれた選手ロッカーは、個々のスペースがしっかり取られている。これまでの環境とは格段に違うといい、落ち着いて体を休めることができそうだ。
1万人収容のアリーナが完成したいま、あとはB2リーグ・西地区6位(7チーム中。3月3日現在)のチーム強化が期待される。アリーナを運営する「One Bright KOBE」渋谷順代表取締役社長は、神戸ストークスの運営会社であるストークスの代表取締役社長も兼任しており、「このアリーナに恥じない、相当なチーム強化を行なわなければいけない」と、プレミアリーグ参戦への覚悟を語っていた。
ジーライオンアリーナ神戸の敷地面積は約23,700m2、延床面積は約32,200m2。
TOTTEIエリアはアリーナだけじゃない 飲食店・公園での外遊びも楽しめる
ジーライオンアリーナ神戸で楽しめるのは、スポーツ観戦やライブだけではない。1階、2階には、神戸を代表する洋菓子店「ユーハイム」のカフェや、南京町にある中華街の名店「皇蘭」など、各ジャンルの飲食店10店舗が出店するという。
その中の1店「淡路屋のおもうつぼ(蕎麦とめし処)」では、年間で1,400万個が売れるという有名駅弁「ひっぱりだこ飯」のタコ壺型容器をモチーフに、そばやカレーなどを“タコ壺モチーフ”のオリジナル容器で提供するという。なお、カレー容器は現在開発中とのこと。
ほか、スタジアム観戦にぴったりなチュロスなどのスナックも、タコや壺にこだわったデザインになるのだとか。神戸ストークスのスポンサーでもあり、ひときわストークス愛が強い淡路屋が、どんな商品を出してくるか、要・注目だ。
また、この「TOTTEI」エリアの先端には、緑地やプロムナードも整備されるという。
公園エリアは、神戸と所縁が深い建築家・畑友洋さんの設計によって、神戸ならではの「山」「海」の眺めがある広場にしたとのこと。周りを海に囲まれ、フェリーや貨物船の発着を眼前で見ることができるこのスポットは、小さな子供が喜ぶお出かけスポットとなりそうだ。
アリーナを含むTOTTEIエリアは、飲食店・公園などで、試合がない日も賑わいを生み続けるであろう。
神戸空港国際化・万博開催 アリーナは「絶好のタイミングで開業」
内覧会時に行なわれた記者会見では、久元喜造・神戸市長が「壮大な日常空間が完成した」と、アリーナへの印象を語った。また、「アリーナの開業は、神戸空港国際化、大阪万博開催とほぼ同時であり、絶好のタイミング」「アリーナの開業とともに、新しい国際都市・神戸がスタートする」と、これからの期待を口にした。運営面では稼働率80%(準備日含む)を目指しているといい、これからライブ・コンベンションなどをどれだけ誘致できるかが注目される。
国際貿易港・神戸港を支えてきた「新港第二突堤」が、港としての機能を停止して数年。「Regeneration(再生)」をテーマにして跡地に生まれたTOTTEIならびにジーライオンアリーナ神戸は、これからも賑わいを生み続けるだろう。