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アマゾン、生成AIで賢くなった「Alexa+」 知識と記憶を使い回答・動作
2025年2月27日 08:57
Amazonは26日(米国時間)、生成AIを活用した次世代音声アシスタント「Alexa+」を発表した。米国では今後数週間で早期アクセスを開始し、数カ月間で段階的に拡大する。月額料金は19.99ドルだが、Amazonプライム会員は無料となる。早期アクセス期間中は、Echo Show 8/10/15/21のユーザーを優先して展開する。日本展開については現時点では発表されていない。
Amazonの音声アシスタント「Alexa(アレクサ)」は2014年に登場(日本は2017年)。音声での機器操作や情報取得、ディスプレイを組み合わせたメディア機能などを順次展開しており、Alexa対応デバイスは世界で6億台まで広がっている。
新たなAlexa+は、生成AIを活用し、従来のAlexaよりも会話的でより賢く、パーソナライズされたものとなる。様々なタスクに対応できるほか、オンラインでのアイテム検索や発見、購入をサポート。Alexa+がユーザーの意図を理解し、興味に基づいて役立つ提案を行なう。
従来のAlexaは、特定のコマンドやシナリオにあわせて動作したが、Alexa+はLLM(大規模言語モデル)などを活用し、“知識”を活用して回答を行なうため、ふわっとした質問やアイデアにも応答。例えば、「カントリーミュージックの映画の冒頭でブラッドリー・クーパーが歌っている曲は何ですか?」といった質問にもAlexa+が考えて回答してくれるという(編注:映画「アリー/スター誕生」の「Black Eyes」と思われる)。
また、ユーザーのアクションや文脈をAlexa+が記憶し、対応デバイスをまたいで会話を継続したり、会話に活かせる。例えば、ライブのスケジュール表の写真を送信し、Alexaにカレンダーに詳細を追加してもらえるほか、子供の学校からのメールをAlexaに転送し、「早退日はすべてカレンダーに追加して」、「ボランティアでクラスで教える日を教えて」と尋ねることも可能となる。
Alexa+では、Amazon Bedrock上で動作するLLM(大規模言語モデル)なども活用。何万のサービスやデバイスと連携可能で、「エキスパート」と呼ぶコンセプトを導入する。これは、特定のタスクをユーザーのために実行するシステムや機能、API、指示のグループとなる。
このエキスパートを使用して、Philips Hue(照明)、Roborock(ロボット掃除機)などの製品でスマートホームを制御できるほか、(レストラン予約)OpenTableでの予約、Amazon Music、Spotify、Apple Musicなどの音楽再生、Amazon Freshでの食料品を注文、GrubhubやUber Eatsで配達を注文、Ticketmasterでチケットの販売開始通知、Ringを使った見守りなどに対応する。
Alexa+では、LLMを使ってAPIを確実に連携させるために、新しいエージェント機能を導入。ユーザーに代わって、タスクを完了するために、例えばオーブンの修理を行なう場合、Alexa+自身がWebをブラウズし、関連するサービスを見つけて、認証を行ない、修理を手配。完了したら知らせてくれる。
Alexa+はパーソナライズされ、ユーザーが何を買ったか、何を聴いたか、どのビデオを見たか、どのような支払い方法が好みかなどを認識。家族のレシピや大切な日、食事の好みなども伝えられ、Alexa+は、その知識を活用して行動できる。例えば、家族でディナーを計画している場合、Alexa+は、ユーザーがピザが好きで、娘はベジタリアン、パートナーはグルテンフリーであることを記憶しているため、それに沿ったレシピやレストランを提案できる。
Alexa+は、Echoデバイスや、新たなモバイルアプリ、Alexa.comのブラウザベースでも利用可能。Alexa+が文脈を記憶し、どのデバイスでも会話を継続できる。Alexa+にあわせて、新型の「Echo Show 21」「Echo Show 15」も発表している。
セキュリティやプライバシーにも配慮。Alexa+とのやりとりや各種設定などは、Alexaプライバシーダッシュボードに一元化し、管理する。