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新センターサーバー型「Suica」改札、北関東で本格導入

JR東日本は、「センターサーバー方式」を採用した新しいSuica改札システム導入を推進し、2025年度からは高崎支社管内で新しい自動改札機の導入を開始する。

同社では、今後のSuicaのあり方を「Suica Renaissance」として24年12月に発表し、現在の鉄道乗車や店舗の決済を中心としたあり方から、移動、決済、地域などの生活シーンにおける新たな体験やDXの中心になるSuicaを目指している。その一環として、Suicaの決済を改札機内で完了させるローカル型から、サーバーで一括管理するセンターサーバー型に切り替える作業を進めている。

現在、センターサーバー型のSuica改札機は、東北地方の一部で活用されているが、これを北関東の高崎支社管内に導入していく。

まずは、2025年8月に神保原駅から新しい自動改札機の導入を開始し、2025年度に高崎駅や熊谷駅、前橋駅を含む20駅84通路、2026年度に14駅52通路に導入、全34駅136通路を完了させる計画。群馬県内では25年8月に群馬藤岡駅から、栃木県内では25年10月に佐野駅から導入する。

Suica Renaissanceでは、Suicaのセンターサーバー方式導入とともに、新たな「Suica アプリ(仮称)」の導入や、Suica利用エリア撤廃、センターサーバー管理型の鉄道チケットの提供、「あと払い」への対応などを予定している。

Suicaの今後(2024年12月発表資料から)

今回の高崎支社での新型自動改札機の取替工事にあわせ、高崎支社で独自に開発した運搬台車を活用。

作業の効率化と働き方改革を進める。新型運搬台車の名称は「Kai-Un」(カイウン)で、「改札機を安全に移動させる運搬台車」の意味を込めている。開発メーカーは堀口工業所。

Kai-Un(カイウン)

自動改札機の取替工事では、特に橋上駅で機器本体を運搬する際の階段昇降に労力がかかるほか、重量物を運搬する作業者の身体的負担、機器が横向きのままではエレベーターに乗せることができないことも課題となっていた。そこで、自動改札機を立てた状態にしてエレベーターに乗せることを目指し、Kai-Unの開発を進めた。実証試験では、1台あたり約20分を要していた運搬作業時間が約10分に半減し、身体的負担も大幅に軽減できることが確認されたという。

Kai-Unは、25年9月に予定されている吹上駅での自動改札機取替工事で実運用を開始。栃木県内では25年10月に佐野駅、群馬県内では26年1月に駒形駅から運用を開始する。