ニュース
JR東海、リニア車両をブラッシュアップ ”サメ肌”で空気抵抗削減
2025年2月21日 18:02
JR東海は、中央新幹線の開業に向け、山梨リニア実験線に投入する新しいL0系改良型試験車である中間車1両「M10」の概要を発表した。2025年夏の走行開始を予定している。
JR東海では中央新幹線の開業に向け、2013年からL0系車両、2020年からL0系改良型試験車による走行試験を実施している。今回、L0系改良型試験車をさらにブラッシュアップし、山梨リニア実験線へ投入する目処が立ったため、概要を公開した。
新型車両は、環境負荷低減を目的とした改良が施されている。車体表面へのリブレットフィルムの適用や台車周りの形状最適化により、空気抵抗を約1%(16両換算)削減し、消費電力の低減を図る。リブレットフィルムは、サメの肌を模倣した微細な溝構造を持つフィルムで、山梨リニア実験線では24年8月から既存車両に適用した走行試験を行なっているが、今回初めて新製車両に適用する。
また、高温超電導磁石専用の車両設計とし、車両機器構成を最適化することで、低コスト化を図る。高温超電導磁石は従来の超電導磁石よりも冷却温度が高く、液体ヘリウムが不要となるため、磁石の構造を簡素化できる。
エクステリアは、シルバーのボディにゴールドのラインを配した未来感のあるデザインを採用。インテリアは、白色を基調とした客室空間に落ち着いた色味の座席を配置し、シンプルかつ洗練されたデザインとなっている。
JR東海は、既存のL0系改良型試験車およびL0系車両と組み合わせて走行試験を実施する予定。設計は日立製作所・日本車輌製造が携わっており、製作は日立製作所が担当している。