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メルカリ、電車や百貨店の落とし物を販売

メルカリと「落とし物クラウドfind」を提供するfindが連携し、findが提携する鉄道会社や商業施設で拾得された落とし物のうち、法律で定められた保管期間を過ぎ、各企業が所有権を取得したものを「メルカリShops」で販売する実証実験を開始した。

鉄道会社や商業施設で拾得された落とし物は、遺失物法に則り適切に保管・管理され、落とし主が見つからないまま法的に保管期間が過ぎた落とし物は、廃棄物として処理される。

それらの落とし物には、まだ使用できる物や商業施設で買ったばかりの物が含まれていることから、破棄を減らす循環型モデルとしてメルカリShopsで再流通させる実証実験を行なう。

取り組みへはメルカリ、findのほか、京王電鉄およびfindパートナー百貨店が参画する。鉄道会社や商業施設においては落とし主のいない落とし物の保管場所や廃棄に課題を抱えている。大手百貨店では1店舗あたりで毎月約600件の落とし物を破棄しており、その対応に毎月約10時間を要しているという。

実証実験では、持ち主が見つからないまま法的な保管期間が経過し、商業施設などへ所有権が移った落とし物のうち、施設で廃棄予定の物をfindが引き取る。findは検品作業を行ない、findのメルカリShopsアカウントで販売する。出品例はスニーカー5,000円~、アクセサリー3,000円~、塗り絵セット1,000円~、充電器2,500円~、ショルダーバッグ1,000円~など。

出品は状態が良い落とし物の中でも個人の特定ができないものに限る。ブランド物などは、専用の業者を介し品質の状態の確認や鑑定を行なった上で出品する。電気機器は使用テスト実施済みの物のみを出品する。

メルカリShopsでの販売で得た収益は、メルカリShopsとfindの手数料を除き、鉄道会社や百貨店など落とし物を管理している施設へ還元する。実証実験の期間は2月20日から8月31日まで。

警察庁によると、2023年度に全国の警察に届けられた落とし物は約2,979万点で、統計を取り始めた1971年以降で最も多くなっているという。