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大阪万博で飛ぶ空飛ぶクルマ「SKYDRIVE」初公開

SkyDriveは、空飛ぶクルマ「SKYDRIVE(SkyDrive式SD-05型)」の型式証明活動において、国土交通省航空局から適用基準が発行されたことを発表した。これにより空飛ぶクルマ固有の耐空性、環境基準の詳細がおおむね決定した。また、大阪万博での公開に向けて飛行試験を行なっている機体も初公開した。

これまで同社は、2022年3月に空飛ぶクルマの型式証明審査の適用基準を「耐空性審査要領第II部(第61改正)」ベースで構築することについて、航空局と合意。この審査要領は、乗客数が19名以下かつ最大離陸重量8,618kg以下の固定翼機の耐空性要件を定めたもので、第61改正は機体の特徴に合わせて安全性を示す方法をメーカーが柔軟に選択できる最新のものとなる。

型式証明の審査基準は、新型航空機である「空飛ぶクルマ」のような機体ごとに特化した基準が必要になる。そのため、航空局と開発企業が協議を重ね、要件を設定した上で適用基準が発行される。空飛ぶクルマの適用基準には、例えば「バッテリ・セルを監視し、過電圧、電力不足、過電流、過熱といった状況にならないよう保護する措置を取らなければならない」など、電動機を備えた機体特有の要件が含まれる。

今回はこの審査基準の詳細がおおむね合意に至ったことから、適用基準が発行されたもの。今後は試験の実施時期や内容について協議しながら証明計画を策定。地上試験や飛行試験を進めていく。

同社はアメリカ連邦航空局(FAA)に対する型式証明活動にも同時に取り組んでおり、日本での型式証明取得後、米国でも型式証明を取得する方針。

SkyDriveの空飛ぶクルマは、2020年に初めて1人乗りの有人試験機「SD-03」が飛行に成功。その後、大阪万博での商用飛行を目標に2人乗りの商用機の開発を続けていたが、2023年には機体を3人乗りに大型化する計画を発表。同時に自動車メーカーのスズキと機体製造に関する協力体制の基本合意を締結し、2024年から製造を開始していた。しかし同年、大阪万博での商用飛行断念を発表し、旅客を乗せないデモフライトを行なうと発表している。日本での商用運航は2026年を目標としている。

SKYDRIVE(SD-05型)を開発・製造するグローバルエンジニアチーム