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ワークマン「ワーク強靭化宣言」 開発リソースの8割を作業服に

ワークマンは、製品開発リソースの8割を作業製品へ移行したことを発表した。今春から、「ワーク強靭化」製品を強化し、50億円の売上増加を目指す。

同社は2020年より、作業服を扱わない新業態の「#ワークマン女子」店を展開し、一般客向けの製品に開発リソースを集中投入していた。ワークマン女子は成功したが、その反動として作業服中心の既存店用の製品開発が手薄になり、作業服の売上が伸び悩んだという。

また、女子店の製品が過剰投入であったことや、過大在庫により新製品を投入しづらく気候変動関連商品への対応遅れ、アウトドアブーム一段落後の対応が後手に回ったことなども既存店の作業服売上が伸び悩んだ原因と分析している。

その間に集中投入していた女子店は、当初都心を中心に拡大し、現在は地方まで浸透。24年秋に3万~8万の地方都市で路面出店を広げ、全店で同社の平均売上を上回る結果となった。この成功から同社は、女性層への売上拡大という目的を達成でき、女子店の業態が確立できたと判断。

人口が少ない地方ではさらに広い客層の取り込みが必要なため、今後は店名である「#ワークマン女子」を改名し、男性客も集客しやすい「Workman Colors」に順次変更することを発表している。

「#ワークマン女子」を改名し、「Workman Colors」に順次変更する

こうした背景から、本業である作業服の開発に重点を移行。開発組織を作業服中心の既存店向けと、作業服を扱わない新業態店向けの2つに分割する。

開発リソースの比率は売上構成比をほぼ反映し、8割が作業服を扱う既存店製品となる。残りの2割が、作業服を扱わない女子店の開発に充てられる。作業服は同社の本業であり得意分野なため、開発リソースが十分確保できれば短期間で成長軌道に乗るとしている。

また、季節商品の在庫適正化も完了し、季節に合った品揃えに移行できるとする。1年を夏物(3月~9月)、夏秋物+秋物(9月~11月)、冬物(10月中旬~2月)の3シーズン化し、春物は省略。これは、夏物の販売期間が長く、冬物の期間が縮小し、冬から夏までの移行期間が短いことを理由としている。

販売期間が1年の半分超えになった夏物と猛暑対策品を最優先開発アイテムとし、4月と10月に販売ピークを迎える通年作業服は冬物の減少分を補完できる重点製品と位置づける。

「ワーク強靭化」製品として上下3400円作業服

製品としては、25年春から「ワーク強靭化」製品を投入。暑熱対策商品やレインウェア、上下で3,400円の作業服など、新たに投入する製品で、50億円の売上増加を見込んでいる。

XShelter“暑熱”シリーズは、「気温/湿度/輻射熱/風」といった、暑熱4大リスクを軽減できる超気化冷却方式を採用。価格は、ジャケットが2,900円、クライミングパンツが2,500円。

XShelter“暑熱”シリーズ

XShelter“超透放湿”レインウェアは、超透湿と超放湿機能で夏場のムレを緩和する。同社スタンダード製品の7倍の透湿と放湿機能を備える。価格は、レインジャケットが5,800円、レインパンツが4,900円。

通年作業服の「ワンダーストレッチ」シリーズが、上下で3,400円を実現。ジャケットが1,900円で、カーゴパンツとスラックスが1,500円。

XShelter“超透放湿”レインウェア、通年作業服「ワンダーストレッチ」

「ZERO‐STAGE」猛暑対策作業服は、猛暑時の快適性を追求。帝人フロンティアの高級スポーツ用素材を使用し、猛暑時の安全と命を守るとしている。価格は、長袖ジャケットが3,900円、長袖シャツが2,900円、半袖シャツが1,900円、カーゴパンツが2,900円、スラックスが2,900円。

「ペルチェ半導体搭載」シリーズは、冷却/温熱の2モードを搭載。従来モデルから価格は据え置きながら、冷却ポイントを3カ所から5カ所に増加した。価格は19,800円。

「ZERO‐STAGE」猛暑対策作業服、「ペルチェ半導体搭載」シリーズ