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三菱地所レジ、自分専用宅配ボックスで“モノを最小化する”賃貸マンション
2025年1月31日 10:04
三菱地所レジデンスは、IoT宅配ボックス「Pabbit Locker」を導入し、シェアリングサービスとの連携などを想定した“自分専用宅配ボックス”「Roomot Sotomo(ソトモ)」を同社の賃貸マンションシリーズ「ザ・パークハビオ」に導入する。
Roomot Sotomoでは、居住者が自分専用の宅配ボックスを持ち、宅配だけでなく、シェアリングサービスなどを借りやすくしたほか、クリーニングの集荷などにも対応。居住空間における“モノ”を最小限に抑えながら、都市部での「自分らしい暮らし」を提案するサービスとなる。
Roomot(ルーモット)シリーズは、洗面化粧台にキッチンを合体した「MIXINK(ミキシンク)」、バスタブと洗い場を兼用とした省スペースな浴室空間「BathMor(バスモル)」などの住宅設備、ハードウェアを専有部に導入することで、居室空間の拡大を図ってきた。今回のSotomoは、マンション共用部に設置した宅配ボックスやシェアリングサービスと連携することで、普段使わないものを“居室に置かない”“シェアする”ことで「モノを持たない生活」を実現。居室の快適性向上を目指す。
Roomot Sotomoの第一号物件は3月11日に入居開始する東京・中央区の「ザ・パークハビオ 日本橋三越前」。全54戸に専用の各部屋宅配ボックスを1階の共用部に設置する。
Sotomoでは、PacPortが提供する解錠システム「Pabbit」を採用した住戸別IoT宅配ボックス「Pabbit Locker」をマンション共用部に導入。通常、宅配ボックスは外部からアクセスできる場所に設置されるが、Roomot Sotomoで採用するPabbitは、荷物の伝票番号を認証キーとしてマンションの集合玄関のセキュリティを解錠できるため、ザ・パークハビオ 日本橋三越前ではオートロック内に設置される。
宅配ボックスは1戸につき、1台用意される。例えば201号室の居住者は201号室専用のボックスを利用する。なお宅配ボックスは1階の共用部に設置されるが、置き配の場合は、部屋の前まで荷物を配達する。
宅配業者は、居住者が不在でも「Pabbit Locker」まで配達できるほか、居住者はアプリ「Pabbit APP」から配達状況を確認できる。3つまでの荷物を1つの専用ボックスで預かれるため再配達も減らせるという。
アプリ「Pabbit App」からは、ロスゼロやアリススタイルなどのサービスにアクセス可能で、アプリからはキャンペーンや入居者情報などを提供する。また、Roomot Sotomoでは「集荷」にも対応予定で、まずは大手のクリーニング業者からの集荷に対応する。
Pabbit Appの主な対応サービスは以下の通り。
- ロスゼロ:食品ロス削減通販。販売期間の迫った商品を集めて月に1回宅配する
- アリススタイル:家電・美容・キャンプ用品などサブスクサービス
- meeco:三越伊勢丹によるブランドコスメECサービス
- Casie(カシエ):アートのサブスク/販売
- Wine & Doors:ワイン通販
なお、1戸に1台のボックスとなるが、1階の宅配ボックス前には置き配スペースも用意。また、ゴルフバックも入る大型の宅配ボックスも1台設置される。そのため、ボックスに入らないサイズの荷物が来ても対応できる。その場合は、配達状況などはアプリから確認できない。
ソトに出すことでモノを“最小化”するマンション
Roomot Sotomoを設置する「ザ・パークハビオ 日本橋三越前」の所在地は、東京都中央区日本橋堀留町1丁目1番5号。半蔵門線・銀座線「三越前」駅 徒歩7分、日比谷線・浅草線「人形町」駅 徒歩5分、日比谷線「小伝馬町」駅 徒歩5分と交通の便に優れた立地。
そのため居住者は、平日は仕事に忙しく、休日はアクティブに活動し、その中で生活の質にこだわる人と想定している。在宅していなくても荷物を安全に受け取れることが重要となるほか、都心に近いエリアで大きな専有部を取れない中で、生活空間を確保したい人にとっての「Minimalize(最小化)な暮らし」のための機能を検討。結果として、宅配ボックスを活用した「シェアリング・サブスクのある暮らし」として、Roomot Sotomoの企画につながったという。
これまでのRoomotシリーズは、「限られた専有部のスペースの中で生活スペースを確保するのはどうすればいいのか」を試行錯誤してきたが、Sotomo(ソトモ)では、専有部のソト、宅配ボックスや外部サービスを活かした生活空間確保をテーマとしたという。
これまでのRoomotの企画や賃貸物件の利用者ヒアリングでは、「もっと収納がほしい」という意見はとても多かった。一方、収納を増やせば生活空間が犠牲になる。そのため、Sotomoの企画では「本当に常に持っておく必要があるか」という点に着目。例えばキャンプ用品など利用頻度が比較的少ない製品はサブスクやレンタルを活用するなど、所有しない身軽な暮らしを実現しやすい仕組みとしてSotomoを開発した。
なお、ザ・パークハビオ 日本橋三越前のRoomotプランの住戸も用意。対象住戸では、シンクとキッチンが一体の「Roomot MIXINK」、バスタブと洗い場が一体の「Roomot BathMor」、収納に新たにデスク機能を追加した「Roomot desko」を導入する。Roomot SotomoはRoomotプラン以外の住戸も含め、全54戸・全入居者に導入する。
同物件は3月から入居開始のため、「自分専用宅配ボックス」の利用者からの反応や効果はまだわかっていない。ただし、他のパークハビオを始め、宅配ボックスへのニーズが高く、また稼働率も高いため、宅配ボックスの充実と“きちんと使えるという安心感”は、借り手が重視するポイントになっているという。そのため「全戸専用ボックスに、利便性と魅力を感じていただけるのではないか」(同社)としている。