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ぐんまフラワーパークプラス、秋開業 花と遊べる体験型施設に刷新

メインガーデン

ぐんまフラワーパークをリニューアルした「Gunma Flower Park +(ぐんまフラワーパークプラス)」が、秋から順次オープンする。

リニューアルは群馬県が計画し、フラワーショップ「青山フラワーマーケット」を運営するパーク・コーポレーションの空間デザインブランド「parkERs(パーカーズ)」が、ランドスケープと建築に関わる基本計画・基本設計・実施設計を手がけている。また、パーカーズは指定管理者として運営を受託している。

ぐんまフラワーパークは1992年に開園した群馬県前橋市にある施設。群馬県は施設の管理運営等に民間ノウハウを取り入れるために指定管理者制度を活用し、リニューアルを進めていた。

ぐんまフラワーパークプラスの敷地面積は182,260.14m2。「Enjoy 花と遊ぶ」をコンセプトに、花を見るだけではなく、もっと近い距離で触れ合うことができる「あそび」をテーマにした施設としている。

メインガーデンは、季節の花摘み体験などのソフトコンテンツにも展開が可能な多様性のある花畑とする。エリアごとに色のまとまり・グラデーション・ブーケに束ねた際の美しさを考慮し植栽計画を行なったという。

観賞用だった温室は、屋外とは違う距離感やスケール感を活かし、花や緑をさまざまな角度で見たり、触ったり、没入して遊べる体験を提供する温室アスレチックへとリニューアル。花摘み温室も完備し、雨天時や冬季の花摘みにも対応する。温室は2026年オープン予定。

蜘蛛の巣のようなネット遊具が設置された滞在型のアスレチック
浮動する回遊型のフォレスト系アスレチック

レストランやカフェ兼アクティビティスタジオなど園内の各施設の内装は、土地とのつながりを意識した素材使いや、群馬県ならではの文化を感じられるような仕上がりにしたという。

レストランのトンネルやシェードランプは、伝統工芸の「竹皮編み」で手編みされたものを使用している。竹皮編みは群馬の代表的な手仕事でありながら、現在この技術を扱う工芸作家は県内に一人という現状があり、未来につながる交流のきっかけとなることを目指してデザインした。

レストラン内観

テイクアウトフードや雑貨を販売するショッピングエリアについては、什器にコンクリート供試体や古材を再利用。壁は富岡製糸場などで有名な赤煉瓦で構成し、蚕のきびそ絹糸を窓際を覆うマテリアルとして導入している。

ショッピングエリア

カフェ兼アクティビティスタジオは、直径5mのシャンデリアから植物のツルが伸びる、木漏れ日の下で過ごせる設計。2階の室内と花畑にのぞむテラス席にはコンセントを設置し、ワーケーションやリモートワークの場としても利用できるようにしている。

カフェ兼アクティビティスタジオ

日本庭園には和食堂を設置。縁側に腰掛けたり囲炉裏を囲んで食事ができたりなど、昔ながらの日本のだんらんを体験できる作りにしている。また、赤城山の潜在植生種であるヤマモミジ、県木のクロマツ、県花のレンゲツツジなどの盆栽もディスプレイできる仕様にしている。

日本庭園の和食堂

没入体験により体感を深める仕掛けも取り入れている。パークは赤城山の裾野に位置するが、そのことを表現する手法として、エントランスに裾野の断層を思わせるアプローチ空間を設け、閉じられた道を抜けた先にダイナミックな花畑が広がる構成としている。

アプローチ空間

メインガーデンは、インパクトが生まれる地形と動線づくりとして、平坦だった土地に起伏やうねりを設けた。歩みを進めるワクワク感と、全身で花畑を体感できる没入感を生み出す狙い。

メインガーデン

花畑の中には至るところにファニチャーを配置し、花に包まれて過ごせる居場所を創出。起伏の高い丘の部分にあるデッキテラスからは花を見下ろせる。地形が低い場所ではより花に埋もれて過ごす体験ができるなど、花との位置関係が変化し、さまざまな表情を楽しめるとしている。

フラワーパークならではの好奇心をくすぐる体験を提供するため、ローラー式の長いすべり台を設置。季節ごとに変化する花々の中をすべり落ちる設計としている。

ローラー式すべり台

野菜の花畑では、慣れ親しんでいる野菜はどんな花をつけ、どう育つのかなど、「食べる」以外の見方を提供し、新たな一面を学ぶきっかけをつくる。

野菜の花畑

所在地は群馬県前橋市柏倉町2471-7。アクセスは北関東自動車道伊勢崎ICから車で約30分(前橋・渋川方面)、関越自動車道赤城ICから車で約30分(前橋・赤城方面)。