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コクヨ「大人のやる気ペン」 資格勉強・リスキリングの努力を見える化

コクヨは、資格取得やスキルアップのためのリスキリングといった大人の勉強の日々の努力を“見える化”するIoT文具「大人のやる気ペン」を、1月29日から3月15日までMakuakeで先行販売する。一般販売予定価格は9,900円で、Makuakeでの早割は8,910円から。

ベースとなっているのは、2019年に発売した子供のためのIoT文具「しゅくだいやる気ペン」。しゅくだいやる気ペンも子供の日々の努力を見える化して自発的な学習の習慣化を促す商品で、スマートフォンのアプリと連携して使用する。

しゅくだいやる気ペンは市販の鉛筆に取り付けて、その鉛筆で文字を書くと加速度センサーが働き、測定データとして書いた分だけ「やる気パワー」として記録される。

やる気パワーはしゅくだいやる気ペンのLEDの色変化として見ることができ、使用後にBluetoothでスマホアプリと連携させると、アプリではペンに溜まったやる気パワーの量に応じて「やる気の木」が成長。すごろく形式の「やる気の庭」を進んでアイテムを獲得できるといったゲーム要素を楽しめるとともに、カレンダーやグラフで日々の頑張りを確認できる。

大人のやる気ペンも仕組みとしてはほぼ同じ。本体はシャープペンやボールペン、スタイラスペンにワンタッチで取り付けられるようになっているほか、“しゅくだい”から小型軽量化している。重量は“しゅくだい”が約19g、“大人”が約8g。“大人”を取り付けられる筆記具の適合目安は直径9~13mm。

“大人”(手前)と“しゅくだい”(奥)では大きさも形状も異なる
大人のやる気ペン背面のペン装着部分
本体とケース型充電器

“大人”の場合も、装着したペンを手に持って勉強に取り組むと「やる気パワー」が溜まり、LEDの色変化で表示。スマホと連携して日々の努力をチェックできる点も同様となるが、アプリの内容はゲーム要素の部分などで異なっている。

一定時間勉強するとLEDが点灯。なお装着する向きは、LEDが上側でも下側でも問題はない

アプリでは、「やる気パワー」の量を1日や1週間、1カ月単位でグラフ化するとともに、カレンダー機能もついていて学習の習慣化をチェックできる。

アプリ内のリアクションとして、1週間の学習傾向に合わせて「叱咤激励」のメッセージが届く。頑張った時には褒めてもらえるが、サボってしまった時には容赦ない叱責の言葉が届く。

また、自身のアバターが「やる気パワー」の量に応じてスゴロク形式のステージを進み、アイテムを獲得。そのアイテムを使ってアバターをカスタマイズできるようになる。アイテムは100種類以上で、順次追加予定。

すごろくではありがたいお言葉をいただけることも

すごろくの中では、他のやる気ペンユーザーのアバターに出会うこともある。SNSのように交流するものではないが、同じように勉強している人の目標や勉強のコツ、勉強する理由などを知ることができる。これにより自分一人ではないことに気づき、勉強仲間同士のモチベーションアップの循環を生み出すとしている。

しゅくだいやる気ペンは5年間で5万台以上を販売しており、大人のやる気ペンでも同程度の年間1万台を目標とする。一般販売では、直販サイトなどECを中心に展開する。

しゅくだいやる気ペンを大人が使っていたことから商品化

コクヨ やる気ペングループ長の中井信彦氏によれば、しゅくだいやる気ペンは小学生が使用してやる気を促進し、親子のコミュニケーションも創出することを目的とした商品だったが、ECのレビューなどで大人も使用していることに気づき、さらに商品化を望む声も出始めたという。

コクヨ 経営企画本部 イノベーションセンター IoT事業戦略ユニット やる気ペングループ長 中井信彦氏

そこでコクヨは、大人の学びに関する実態調査を、18歳以上65歳未満の10,197名を対象に実施。直近1年間で資格学習に取り組んだ人の割合は全体の26%だったものの、資格学習者のうち諦めてしまったことがある人は71%に達した。また、勉強する際にペンで書く人は80%という結果となった。

勉強する中で感じている課題については「モチベーションの維持が難しい」が最も多かった。そのほか様々な声を集める中で、「子供の場合は親に褒められたり、応援してもらえたり、あるいは怒られたりすることが励みになる。大人の場合は誰からも怒られも褒められもせず、自分でなんとかするしかない。そこに孤独感のようなものが感じられた」という。

「毎日机に向かうのが辛い」「すぐに集中力が切れる」「はじめの10分が辛い」、こういった理由で継続できない人の、勉強したいという想いを叶えるには、「一日一日のほんの小さなモチベーション」が大切であるとの考えから、小さなモチベーションの積み重ねをサポートするため、大人のやる気ペンを開発した。

やる気ペンを通じて「1%の頑張りの積み重ね」をサポート。毎日の+1%の努力が365日後には大きなチカラになるとしている。

パッケージ
パッケージを開けていくとメッセージが現れる

本体は小型軽量化だけではなく、書く際に邪魔にならない形状にすることにこだわって開発。装着する時点で非装着時よりも邪魔になることは避けられないが、それを最小限にすることを重視した。シリコンの内側をえぐれているような形状とし、またシリコンの中を空洞にして軽量化、さらに外から押した時に受けるような柔らかさといったところを加味しながら、デザイン性よりも機能性を追求しながら追い込んでいったという。

アプリは有料版の計画もあるが、利用動向から得られるデータやユーザーからのフィードバックを得ながら、提供する付加価値を検討。ハードの部分は一度ユーザーの手元に届いたものを変えることができないため、こだわり抜いて完成させたが、アプリは多種多様な声を聞きながら進化させていくという。「アプリの完成度を上げるためにも、Makuakeで購入した方からの厳しい声をいただきたい」(中井氏)と話した。

大人のやる気ペンのサイズは、24×22×30mm。USB Type-C対応のケース型充電器付属。使用時間は1日2時間の学習を想定して、本体のみで約5日間、充電ケース併用時で約25日間。アプリの対応OSはiOS 16以上、Android 10以上。

ケース型充電器
中井信彦氏(左)、コクヨ イノベーションセンター長 野底 土南ニ・一(のか どなん)氏(右)