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「ジャングリア沖縄」7月25日開業 やんばるの森に恐竜・バンジー・気球

エントランスビレッジのインフィニティ テラス 画像提供:ジャパンエンターテイメント

沖縄北部の「やんばる」のジャングルの中に、総面積約60haのテーマパーク「JUNGLIA OKINAWA(ジャングリア沖縄)」が7月25日に開業する。入場チケットを含む旅行パッケージは、ジャングリア沖縄公式サイトでの販売に先駆け、1月29日からJTB商品取扱店および旅の予約センターで先行販売を開始する。入場料金は、1Dayチケットが大人6,930円など。非国内在住者料金の設定もある。

ジャングリア沖縄は「Power Vacance!!」をコンセプトとしたテーマパーク。世界自然遺産「やんばる」を擁する沖縄北部の大自然を舞台に、都会にはない興奮と贅沢を体験できるとしている。

所在地は沖縄県国頭郡今帰仁村字呉我山553番地1。パーク総面積約60haの敷地にて、アトラクション、エンターテイメント、スパ、レストラン、ショップを展開する。アトラクション数は22、飲食施設は15、物販施設は10。

画像提供:ジャパンエンターテイメント

エントランスには、沖縄由来の多種多様な植物を巨大な大木に見立てたシンボルツリーを設置。デイゴ、カジュマル、ヤエヤマヤシなどの植物と、本物と錯覚するかのような幹が織りなす荘厳なツリーが唯一無二の存在感を放つとしている。ここで咲く花は季節によって移り替わる。

シンボルツリー 画像提供:ジャパンエンターテイメント

エントランスビレッジではレストランやショップを展開。パーク全体を見渡せる、パークの地形の中でも最も高い場所に位置する「インフィニティ テラス」があり、大自然の中に浮かぶ気球や、巨大なブラキオサウルスの姿をのぞめる。

今回発表されたアトラクションは以下の通り。

  • DINOSAUR SAFARI(ダイナソー サファリ)
  • FINDING DINOSAURS(ファインディング ダイナソーズ)
  • HORIZON BALLOON(ホライゾン バルーン)
  • JUNGLE EXTREMES(ジャングル エクストリームズ/エリア総称)
  • SKY PHOENIX(スカイ フェニックス)
  • TITAN‘S SWING(タイタンズ スウィング)
  • BUNGEE GLIDER(バンジー グライダー)
  • HUMAN ARROW(ヒューマン アロー)
  • GRAVITY DROP(グラビティ ドロップ)
  • SKY-END TREKKING(スカイエンド トレッキング)
  • TREE-TOP TREKKING(ツリートップ トレッキング)
  • BUGGY VOLTAGE(バギー ボルテージ)

恐竜をテーマとしたアトラクション

ダイナソー サファリでは、巨大生物が施設を破壊して脱走。状況確認・事態制圧のミッションを負って、ドライバーが運転する12人乗りの大型オフロード車で、20頭の恐竜がいる生息地向かう。

そこでは、ジャングルの木々よりもはるかに大きい約19m・ビル7階建て相当のブラキオサウルスや、背中の突起が特徴の大型ステゴサウルス、3本の角が特徴のトリケラトプスといった恐竜に最短1mの距離まで接近しながら、ジャングルの奥へと進む。走る車の後ろから肉食恐竜T-REX(ティラノサウルス)が迫ると、生い茂る亜熱帯の植物に阻まれながらジャングルの悪路を爆走し、猛スピードで襲ってくるT-REXから逃げる。アトラクション面積は約45,000m2、体験時間は約17分、登場する恐竜は20頭。

ダイナソー サファリ 画像提供:ジャパンエンターテイメント

ファインディング ダイナソーズは、ジャングルの中で迷子になってしまったパキノサウルスの赤ちゃんを探すアトラクション。自らの足でジャングルを歩き、最強の尾をもつアンキロサウルスや、最大級の翼竜プレラノドンなど6頭の赤ちゃん恐竜と遭遇して触れ合える。

ゴツゴツした足場の洞窟、木々生い茂るトンネル、ユラユラと揺れるつり橋を通り、また自身でトロッコを運転して探す体験を通して、子供から大人まで記憶に残る物語に出会えるとしている。アトラクション面積は約8,420m2、体験時間は約14分、登場する恐竜は7頭。

ファインディング ダイナソーズ 画像提供:ジャパンエンターテイメント

大自然にダイブ・バンジー「ジャングル エクストリームズ」

ジャングル エクストリームズは、約45,000m2のジャングルにある7種類のアトラクションを展開するエリアの総称で、絶叫と解放感ある体験を提供する。

スカイ フェニックスは、約19mの高さから、やんばるの大自然に向かってダイブするアトラクション。約280mを滑空する「空を飛ぶ」体験ができる。

スカイ フェニックス 画像提供:ジャパンエンターテイメント

タイタンズ スウィングは、高さ約18mの巨大な4人用ブランコに乗り、後ろ向きに引かれて上昇、自身のタイミングでスウィングできる。目の前に見える景色はジャングルから、晴れやかな空へと変わる。

タイタンズ スウィング 画像提供:ジャパンエンターテイメント

バンジー グライダーは、地上約20mのタワーから、足下の床が突然外れて急落下する。落下した後は、宙ぶらりんの状態からそもまま前へ放り出されるなど、上下に飛び跳ね、揺れながら動きを体験できる。

バンジー グライダー 画像提供:ジャパンエンターテイメント

ヒューマン アローは、身体ごと後ろに引っ張られて、猛スピードで上空に放たれる。大自然の中を、ゴムの特性により行ったり来たりできる。

ヒューマン アロー 画像提供:ジャパンエンターテイメント

グラビティ ドロップは、約19mの高さで宙づりにされている状態から、突然フックが外れて背中から急落下し、ネットに着地する。

グラビティ ドロップ 画像提供:ジャパンエンターテイメント

スカイエンド トレッキングは全長84mの吊り橋。最大約34mの高低差がある渓谷の上を歩くアトラクションで、行く手を阻むいびつな形の踏み板の数々が用意されている。

スカイエンド トレッキング 画像提供:ジャパンエンターテイメント

ツリートップ トレッキングは、ジャングルの上にかかる吊り橋を渡るファミリー向けアトラクション。子供とともに楽しめる。

ツリートップ トレッキング 画像提供:ジャパンエンターテイメント

バギー ボルテージは、アップダウンの激しいオフロードを本格バギーで疾走する爽快型アトラクション。バギーを運転して、南国の大自然を楽しめる。子供から大人まで楽しめる「ファンアドベンチャー コース」と、急斜面や難コースに挑戦する「アドレナリン チャレンジ コース」の2種類がある。

バギー ボルテージ 画像提供:ジャパンエンターテイメント

そのほか、屋外ステージ「BREEZE ARENA」で昼と夜のエンターテイメントショー、生の音楽とアクロバットが楽しめるステージ、パークを周遊する移動手段をエンターテイメントとするトラム型アトラクション、ヤンバルクイナなど沖縄の動物たちをモチーフにした屋内アトラクションなどを展開する。また、花火により旅の締めくくりを演出する。

ナイトエンターテイメント 画像提供:ジャパンエンターテイメント

絶景を一望できる気球・レストラン・スパ

ホライゾン バルーンは直径約23mの巨大気球で、やんばるの木々やエメラルドグリーンの海など、大自然の絶景を見渡せる。晴れた昼間には真っ青な空、夕暮れ時にはピンクからオレンジへのグラデーションが美しい夕空と、時間帯によって異なる自然の表情を楽しめる。

熱気球ではなくガス気球を採用しており、独特の浮遊感と安定飛行を楽しめるという。標高200mを超える場所で、スパークリングワインを楽しむこともできる。アトラクション時間は約10分。

ホライゾン バルーン 画像提供:ジャパンエンターテイメント

旅の中では食事も重要な要素であるという考えから、レストランもこだわりを持って設計している。

「パノラマダイニング」はエントランスビレッジに位置し、パークの景色を一望できる。店内は天井の高い全面ガラスが開放的な作りが特徴で、鳥かごに見立てたオープンエアのネスト席(鳥の巣)を備えている。場所はインフィニティ テラスの階下。

沖縄県産の食材を多く使用したメニューを、大自然の緑や夕暮れのグラデーション、花火などを楽しみながら味わえる。

パノラマダイニング 画像提供:ジャパンエンターテイメント

「ワイルド バンケット」は、パーク中心部に位置する屋外レストラン。ヤシの木や熱帯植物に囲まれた、南国リゾート感のある空間となっている。沖縄県産の食材をグリルするライブキッチンを備え、見た目も味もワイルドなメニューを用意する。

ワイルド バンケット 画像提供:ジャパンエンターテイメント

そのほかジャングリア沖縄には、計15の飲食施設がパーク各所に点在している。また、エントランスビレッジの「VILLAGE BAZAAR(ビレッジ バザール)」をはじめとした10の物販施設を備える。

「スパ ジャングリア」は、世界最大級のインフィニティ風呂を備え、南国ジャングルと青空による絶景をのぞみ、風の音や鳥の声を感じながら楽しめる。

屋外には植物に囲まれたサウナ、カルシウム岩風呂、水風呂、屋内には美肌効果のある天然温泉や洞窟風呂など、バラエティ豊かにラインアップ。また、同地で湧く温泉を使用している。

スパ ジャングリア 画像提供:ジャパンエンターテイメント

入場チケットは、1Dayチケットが国内在住者の大人6,930円、子供4,950円、非国内在住者の大人8,800円、子供5,940円。スパチケットが国内在住者の大人2,640円、子供1,540円、非国内在住者の大人3,080円、子供1,870円。1Dayチケットにはスパ利用は含まれない。なお、アトラクションにより年齢、身長、体重等の制限がある。

石破首相は沖縄ザル経済解消に繋がる事業と評価

刀代表取締役 CEO 森岡毅氏はジャングリア沖縄について、「単体で成功させることだけを目指すものではなく、その先につなげようというプロジェクト」と説明。ジャングリア沖縄は「1号店」であり、成功したモデルをアジアに展開し、さらに世界に展開するという狙いがある。

また、「世界の売上から沖縄に納税していくことにより沖縄経済を変え、観光産業で世界中から日本に売上を持ってくるという構造を作るためのチャレンジをしている」と述べた。

刀代表取締役 CEO 森岡毅氏

アトラクションについて説明したジャパンエンターテイメント CMO 森崎菜穂美氏は、「旅の『やってみたい』を叶える体験を提供し、興奮と贅沢、これら2つがあるからこそ感じられる究極の解放感が、ジャングリア沖縄の『Power Vacance!!』という体験価値」と説明した。

ジャパンエンターテイメント CMO 森崎菜穂美氏

恐竜についてはVRのアトラクションではないかと思っている人もいるが、リアルに再現したものであることを制作映像を示して強調した。

発表会では、第103代 内閣総理大臣の石破茂氏が登壇。刀の森岡氏とは、石破首相が地方創生担当大臣だったころに、森岡氏がUSJやハウステンボスなどのV字回復を手掛けたことから、対談や現場の体験をしたという縁があるという。また、政府としてはジャングリア沖縄のプロジェクトについて国家戦略特区の事業に認定し、22年には官民ファンドによる出資を通じて支援をしている。

石破茂首相

沖縄の経済について「ザル経済と言われる方もいる」とした上で、「沖縄にはいろいろな投資がなされ、事業もあるが、その売上は他県に渡り、必ずしも沖縄の企業等の所得に繋がっていないという問題がある」と指摘。ジャングリア沖縄については「沖縄の方々の所得につながるような、多くの配慮がなされている事業」と評価した。

また、那覇市などの沖縄本島南部に旅行者が集中しているという現状を挙げ、北部エリアに観光の恩恵が行き届いていないことも課題とする。国としても、「高速道路の整備や周辺の渋滞対策、二次交通の確保にも力を入れてまいります」と述べた。