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スターシップが空中分解、ブースターは無事回収成功
2025年1月17日 12:44
SpaceXは、新型宇宙船「Starship Super Heavy(スターシップ/スーパーヘビー)」の7回目となるフライトテストを1月16日16時37分(日本時間1月17日7時37分)に実施した。打上げ後、スターシップは通信が途絶して空中分解したものの、チョップスティックによるスーパーヘビーブースターの2度目の回収には成功している。
スターシップ/スーパーヘビーは打上げ後、正常に分離が行なわれ、スーパーヘビーブースターは、ブーストバック燃焼(減速のための燃焼)に移行。予定されていた13基のラプターエンジンのうち、12基が再点火し、打上げ場所への帰還を開始した。その後、予定されていた13基のミドルリングとセンターラプターエンジン、ブーストバック時に点火しなかったエンジンも含めて全て再点火して減速。チョップスティックにより2度目の空中キャッチに成功した。
Mechazilla has caught the Super Heavy booster!pic.twitter.com/aq91TloYzY
— SpaceX (@SpaceX)January 16, 2025
空中分解したとみられる分離後のスターシップは、6基のラプターエンジンにすべて点火。宇宙への上昇を開始していたが、燃焼が完了する前に、約8分半の飛行後、機体からの通信が途絶した。データによると、船尾で火災が発生し、予定外の急速な分解に至ったとみられる。破片は事前に定義されていた危険区域内の大西洋にすべて落下したという。
Success is uncertain, but entertainment is guaranteed! ✨
— Elon Musk (@elonmusk)January 16, 2025
pic.twitter.com/nn3PiP8XwG
今後SpaceXは、FAA(連邦航空局)と連携して事故原因の調査を行ない、今後のフライトテストに向けた是正措置を行なっていく。8回目のフライトテストに使用される機体はすでに完成しているが、こうした事故が発生したケースでは通常、FAAによる長期の飛行停止措置がとられる可能性が高い。トランプ政権の発足と、かねてからFAAの規制構造について不満を漏らしていたイーロン・マスク氏が、政府効率化省(DOGE)の共同責任者の一人として就任することから、今後FAAの判断にどのような影響を与えるか注目される。