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Meta、米国でファクトチェック廃止 「多くの検閲と誤り」で方針転換

Metaは7日、米国において第三者によるファクトチェック機能を終了し、誤っていると判断される投稿に対し、他のユーザーが指摘するコミュニティノート機能を開始すると発表した。

Metaのファクトチェックプログラムは、2016年から開始。サービス上の誤情報の拡散などを防ぐ狙いだったが、時間が経つに連れ「コンテンツをファクトチェックしすぎる結果となった」という。Metaでは、「専門家も他の人々と同様に、それぞれに偏見や見解がある。過剰なラベル付けや配信数の減少があり、情報を提供を目的としたプログラムが、検閲の手段となってしまっていた」と説明。特に米国ではこの傾向が高いとする。

そのため、米国では第三者によるファクトチェックプログラムを終了。代わりに誤解を招く可能性があり、追加説明が必要な投稿には他のユーザーがコメントを付与する「コミュニティノート」の仕組みを導入する。同様の仕組みはXでも導入しているが、同様のアプローチをFacebook、Instagram、Threadsの各サービスでも導入する。

今後数カ月は、米国でコミュニティノートを段階的に導入し、継続的に改善していく。一方、ファクトチェックの管理を廃止し、全画面でページに被さる警告(interstitial)を挿入する代わりに、追加情報を見たいユーザー向けに、目立たないラベルを表示する。

Metaでは、2024年12月に、毎日数百万件のコンテンツを削除していた。毎日作成されるコンテンツの1%未満だが、10件中1~2件は間違い(ポリシーに違反していない)可能性があるという。「ルールが過度に制限的で、過剰な施行を招きやすいものなっていた」とし、Metaのサービス上で様々な話題を扱えるようにする。例えば、移民、性自認、性別といった話題については、政治的な議論や討論が頻繁に行なわれているにもかかわらず、多くの制限が課せられてきた。これらを撤廃。「テレビや議会の議場で発言が許されることが、Metaプラットフォームでは許されないというのはおかしい」とし、ポリシーの見直しを図る。

一方で、テロ、児童性的搾取、麻薬、詐欺などの違法行為や重大な違反への対処にはコンテンツをフィルタする仕組みを引き続き活用していく。また、コンテンツポリシーの作成やコンテンツの審査を担当する信頼性および安全性チームを、カリフォルニアからテキサスやその他の米国の場所に移転する計画。

政治的なコンテンツについては、パーソナライズされたアプローチを採用。フィードでより多くの政治的コンテンツを見たいと考える人々に応えられるようにする。

Metaのマーク・ザッカーバーグCEOは、発表とともに公開した動画において「多くの検閲と誤りがあったことは間違いだった。Xと同様のコミュニティノートモデルを導入する」とし、自由な言論をプラットフォーム上で実現すると言及。トランプ政権と連携し、過剰な検閲を取り除いていくと語っている。