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マグネットの位置決め不要 ワイヤレス充電「Qi2」新規格

Wireless Power Consortium(ワイヤレスパワーコンソーシアム、WPC)は、ワイヤレス充電規格「Qi2」を拡張し、車載向けを念頭にした「Active Alignment Power Profile」(APP)規格を策定した。基礎技術として、パナソニックが開発したムービングコイル技術が採用された。

置くだけでスマートフォンを充電できるワイヤレス充電の最新規格「Qi2」は車載の充電機器としても採用が拡大しているが、スマートフォンのサイズや置く位置、マグネット非搭載のスマートフォンは車の揺れで最適な位置がずれやすいなど、充電が不安定になりやすい課題があった。

新たに策定されたAPP規格は、Magnetic Power Profile(MPP)、Extended Power Profile(EPP)、Baseline Power Profile対応デバイスとの互換性を実現した新たなQi規格の方式。充電器側のムービングコイルの高精度な位置合わせ技術により、マグネット方式と同等レベルの位置合わせ精度を実現するという。MPPとEPP対応デバイスに対して最大15Wの充電が可能。この新規格により、スマートフォンのマグネットの有無や対応規格に関わらず、高い充電効率を実現すると謳う。

パナソニック オートモーティブシステムズが開発したムービングコイル技術は、独自のアルゴリズムでデバイス側のコイルを自動的に検出し、充電器側のコイル位置を合わせ、充電位置決めの精度を向上させる技術。

WPCはCES 2025に合わせて今回の拡張を発表。サムスン電子は「GalaxyデバイスからQi2対応のAndroidデバイスが登場すると期待してください」コメントを寄せているほか、Googleは「独自の高電力ワイヤレス充電技術をWPCに提供することで、今後のQi v2.2規格の開発において主導的な役割を果たします」と表明している。

このほか、スマートフォンのケースやアクセサリーに対し、「Qi2 Ready」認証の仕組みが導入される。サードパーティなどが導入することで、ユーザーに対し、Qi2の環境で正しく動作するデバイスであることをアピールできる。

APP規格やQi2 Readyの2つの拡張は、Qi v2.1としてまとめられている。