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グーグル、検索独占裁判で独自是正案 Chrome売却案を否定
2024年12月23日 00:00
Googleは20日(米国時間)、米司法省(DOJ)による検索広告配信訴訟の判決への反対と控訴方針とともに、独自の是正案を公表した。
この裁判は、2020年に司法省がGoogleによる検索広告市場の違法に独占を維持を訴え、2024年8月にコロンビア連邦地裁が違法に独占を維持しているとする判決を下したもの。Googleは控訴する方針を示している。
司法省は訴訟において、Googleの検索とWebブラウザにおける高いシェアが、結果として「検索」と「広告」の市場独占につながっており、GoogleはAndroidやChromeの高いシェアを競争優位になるよう使っていると指摘。そのため、司法省による是正案では、WebブラウザのChromeの売却を要求しているほか、Androidの売却・分割についても触れている。また、アップルやMozillaなどにデフォルト検索エンジンとしてGoogle 検索を入れるために巨額の対価を支払っていることも問題視している。
Googleは判決と、司法省による是正案に真っ向から反対。司法省の是正案は「介入主義的なアジェンダ」としており、提案内容が、「裁判所の判決が扱う、検索の配信に関するパートナー企業との合意をはるかに超えている」と指摘。さらに、「アメリカの消費者に損害を与え、グローバルな技術リーダーシップを弱体化させるものだ」としている。
そのため、2025年4月に予定されている是正措置に関する審理に先立ち、Google側から是正案の概要を提示した。Googleでは、「判決は、検索配信契約に関するものだった。我々の措置もそこを向いたものとなる」とし、司法省が求めるChromeの分割などは否定している。
Googleの是正案では、アップルやMozillaとのブラウザ契約の是正と、Androidプリインストール時の柔軟性の向上が含まれる。
ブラウザ契約におけるGoogleの提案では「AppleやMozillaなどが、最適であると考える検索エンジンと契約を結ぶ自由は今後も持ち続けるべき」とし、ブラウザは引き続きGoogle 検索をユーザーに提供し、その提携から収益を得ることができるが、デフォルトの契約を異なるプラットフォーム(例えば、iPhoneとiPadで異なるデフォルトの検索エンジン)やブラウジングモードで複数設定できるようにする。さらにデフォルトの検索プロバイダーを少なくとも12カ月ごとに変更できる柔軟性を提供するというもの。
Androidの契約では、デバイスメーカーは複数の検索エンジンをプリインストールする際に、より柔軟に対応できるようにする。Googleアプリをプリインストールする際には、SearchやChromeのプリインストールとは関係なく、単独で行なえるようにする。
Googleは、新たな是正案は、パートナーに負担を強いるほか、新たな制限や監督を課すものとなるが、裁判所の判決を十分に反映すると説明。また、米国人のプライバシーやセキュリティを危険にさらさず、米国のグローバルな技術的リーダーシップを損なわずに実施できるものだとしている。