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ソフトバンク、AIデータセンターに向けシャープ堺工場一部取得 1000億円

シャープ堺工場内のデータセンター設置予定エリア(赤)

ソフトバンクは、大規模なAIデータセンターの構築に向けて、大阪府堺市にあるシャープの液晶パネル工場「シャープ堺工場」の土地や建物などを約1,000億円で取得する。12月20日に開催したソフトバンクの取締役会において条件付きで決議した。

この決議は、シャープ堺工場内のAIデータセンター設置予定エリアにおいて、AIデータセンターの稼働に合わせて250MW規模の電力の供給が受けられることを条件とし、ソフトバンクがシャープ堺工場の約45万m2の土地と、延べ床面積約84万m2の建物などを、約1,000億円で買い取るもの。

今後、買い取り手続きが終わり次第、AIデータセンターへの転換に向けて着工し、受電容量が約150MW規模のAIデータセンターの稼働を2026年中に開始する。将来的には、受電容量を250MW超の規模まで拡大させる。

このデータセンターは、生成AIの開発やその他のAI関連事業に活用するほか、大学や研究機関、企業などに幅広く提供。データセンター事業だけでなくAI関連事業領域のエコシステムを創生する、「アジア最大規模のAIイノベーションの拠点」を目指すとしている。

また、環境負荷が低いデータセンターとして、カーボンニュートラル化も推進していく。

シャープの堺工場は、2009年に当時最大規模の液晶工場として稼働を開始。鴻海によるシャープ買収などを経て、大型液晶ディスプレイパネルの生産を続けてきたが、5月に2024年度上期中の生産停止を発表していた。

なお、堺工場においては、KDDIも一部の土地や建物、電源設備などを譲り受け、2024年度中にAIデータセンターへの転換工事に着工。2025年度中に本格稼働させる計画。シャープは、本売却などでアセットライト化を進め、ブランド事業を中心とした事業構造の確立を目指す。