ニュース
Meta Quest、年内最後の大型アプデ「v72」 PC接続やハンドトラッキング向上
2024年12月10日 13:35
Metaは、Meta Quest v72ソフトウェアアップデートの配信を開始した。対象ユーザーに順次提供される。
今年最後の大規模アップデートとする「v72」では、QuestとPCのペアリングが高速化されリモートデスクトップへのアクセスが簡単になるほか、どのキーボードでもトラッキングが可能になり、ハンドトラッキングも改良される。
PCを“見る”だけでリモートデスクトップ接続
MetaとMicrosoftとの提携により、Meta Quest 3/3Sで、Windows 11(22H2以降)搭載のPCをより自然に拡張機能として活用できるようになる。ヘッドセットを装着してPCを見るだけでペアリングが開始され、接続時にPC側の操作は不要になる。
PC側ではあらかじめMicrosoft Storeのアプリ「Mixed Reality Link」のセットアップを完了させておき、Quest側では設定メニューで「Microsoft Mixed Reality LinkでPCとペアリング」を有効にしておく。
Windows 11以降とMeta Quest 3/3Sでは、これをデフォルト機能にできるよう現在取り組みを進めている。12月末に試験的な機能としてリリースされる予定で、簡単な手順でアクセスできるようになる見込み。
汎用型になったキーボードトラッキング
キーボードトラッキング機能は、VR内でキーボードを表示して見えるようにし、ホームポジションを簡単に見つけて作業できる機能。数年前の導入時、ごく限られたキーボードにしか対応していなかったが、v72では、より汎用的なキーボードトラッキングシステムが提供される。
v72では、近くにあるどのキーボードでもQuestが自動的に検出・トラッキングし、没入環境内でもキーボードの場所にダイナミックなパススルーのウィンドウを生成できる。これによりユーザーは好きな作業空間で、現実のキーボードを使いながら作業を進められる。
この機能は、v72の配信開始時に一部のMeta Quest利用者に提供し、徐々に対応範囲を拡大していく予定。
ハンドトラッキングの精度が向上
ハンドトラッキング機能は、ユーザーの手を検出し、コントローラーに触れることなくヘッドセットを装着するだけで、動画を観たり作業をこなしたり、ゲームを楽しんだりということができる機能。
v72では、2024年に注力して開発され、大幅に進化したというハンドトラッキング機能「Hands 2.3」が導入される。安定性、正確性と利用しやすさが向上し、誤認識を大幅に軽減、手を使ったQuestの操作がさらに簡単になるとしている。Quest 3Sでは暗闇でもハンドトラッキングを使用できるようになる。
カーソルなどの操作性向上
v72の一環として、今後数週間にわたりHorizon OSでは以下の機能改良が段階的に展開される。
- ユニバーサルメニューを操作する際、ハンドカーソルの安定性と反応性が向上
- ピンチ操作中のカーソルの安定性を高め、選択したい項目をより簡単に選べる
- つまんでからのドラッグ操作の反応速度と安定性を向上
- トラベルモードを使う時など、狭いスペースでも手を使いやすくする
- カーソルを使って位置を選択する手のポインターの可視化機能を追加
このほか、Meta QuestのInstagramアプリでメッセージ機能(DM)が使えるようになる。タイピングのほか音声入力や音声メッセージにも対応する。
Meta Horizon OSの「メディアギャラリー」が刷新され、スクリーンショットや録画データをより簡単に管理できるようになる。