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万博アプリ、リワードプログラム本格始動 Web3は万博後を見据える

2025年日本国際博覧会協会は、万博アプリ「EXPO2025 デジタルウォレット」をアップデートし、「ミャクミャクリワードプログラム」を本格的にスタートした。

「2025年日本国際博覧会」(大阪・関西万博)は未来社会の実験場というテーマがあり、全面キャッシュレスを導入する予定で、クレジットカードやタッチ決済、電子マネー、スマートフォンのQRコード決済などを利用する形。「EXPO2025 デジタルウォレット」アプリは、全面キャッシュレスへの理解や利用の促進、機運の醸成といった目的で開発・提供されているアプリ・サービス。

「ミャクミャクリワードプログラム」は、アプリの利用状況に応じたステータスにより、さまざまな万博限定の特典を獲得できるアプリの優待プログラムで、ステータスの拡張などが実施された。

また今回のアップデートにあわせて、ポイントサービス「ミャクポ!」を使って会場内で体験できる特別なツアーや、会場内の施設「デジタルウォレットパーク」の概要、デジタルウォレットサービスの楽しみ方を紹介したPR動画の配信についてもアナウンスされている。

アプリのリワードプログラムが本格始動

ミャクミャクリワードプログラムは、電子マネーの「ミャクぺ!」やポイントサービスの「ミャクポ!」など、アプリ上のサービスの利用や万博関連イベント等へ参加することなどで得られる「経験値(エクスペリエンス=exp)」によってステータスが決定し、そのステータス毎に特典を獲得できるプログラム。ステータスを獲得することで、パビリオンの優先権やラウンジ利用などの優待を得て、万博の参加を促す。

ミャクミャクリワードプログラム

これまでステータスはスタンダード、ブロンズ、シルバー、ゴールドの4段階だったが、今回のアップデートによりプラチナ、ダイアモンド、レジェンドのステータスが追加された。高いステータスではより多くの特典を獲得できるほか、レジェンドだけの特典を用意するなど、内容も順次追加される予定。

プラチナ、ダイアモンド、レジェンドのステータスが追加
経験値(エクスペリエンス=exp)の獲得

ステータスに応じて「抽選券」を獲得、参加した抽選で獲得できる特典の一例として、シグネチャーパビリオンの8人のプロデューサーがそれぞれパビリオンを案内するガイドツアーや、プロデューサー直筆サイン入りグッズが当たる特典などが用意される。また、シグネチャーパビリオンを含む15のパビリオンにデジタルウォレットから予約・入場できる特別入場や、会場内のショーなど特定のイベントを優先席で鑑賞できるイベント優先席も抽選の特典として用意される。

会場内にはアプリ利用者を対象にした約230席の休憩施設「EXPO2025 デジタルウォレットパーク」も設営される。ミャクミャクリワードプログラムの先着で獲得できる特典として、同パークでミャクミャクと記念撮影が可能。パーク内でラウンジの利用が可能。ラウンジでは飲料やお菓子が提供される。

「EXPO2025 デジタルウォレットパーク」

このほかステータスに応じて全員が獲得できる特典として、万博限定のミャクーン!(NFT)などが用意される。

Web3活用は万博後も見据えたものに

アプリはNFT(SBT、ソウルバンドトークン)やブロックチェーンといったWeb3コンテンツの取り込んでいるのも特徴で、飲食店の企業がクーポンを配布したり、自治体と連携して記念のデジタルアイテムを配布したりする事業連携の例も増加している。

SBTを活用したクーポンの獲得
これは「千房」で12月に使えるもの
はるな愛やテーマ事業プロデューサーの宮田裕章氏もSBTのクーポンなどをステージで体験
事業連携も増加

協会では「万博に参加したことがレガシーになる。万博は打ち上げ花火ではなく国家プロジェクト。SBTは企業や自治体が活用する新しいユースケースとしても位置づけており、万博後のWeb3の開花につなげていく」(2025年日本国際博覧会協会 企画局企画部企画事業課参事の谷川俶子氏)としており、万博アプリを通じてWeb3や実験に参加することで、企業や自治体に知見やノウハウが残り、その後にも活かせるとしている。

SBT関連では新機能として「コネクトハブ」も提供、企業などがSBTを発行しやすくする仕組みも今後提供する方針。

アプリのダウンロード数は現在までに9万件弱。会期までにさまざまな施策を実行するほか、会場でもアプリの利用登録などを呼びかけていく。

ミャクポ! で交換できるアイテムも増加