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KDDI・JAL・JR東、ドローンによる医薬品配送ビジネスモデル検証

ビジネスモデルイメージ

KDDI、日本航空(JAL)、JR東日本ら6社は、医薬品をドローンで配送するビジネスの社会実装に向けた実証を、東京都西多摩郡檜原村にて10月21日から11月7日まで実施した。

KDDI、KDDIスマートドローン、JAL、JR東日本、ウェザーニューズ、メディセオの6社が参画するプロジェクト。東京都の「ドローン物流サービスの社会実装促進に係る実証プロジェクト」に基づき、都心部におけるドローン物流サービスの早期社会実装を目指す。

実証プロジェクトは2022年5月から開始し、3カ年の計画でドローンを活用した医薬品配送ビジネスモデルの業務フローの策定と検証を行なってきており、2024年度は計画の最終年度となる。

検証を通じて目指すビジネスモデルは、医薬品の管理について、医薬品卸会社の倉庫などで一元管理し、稀用医薬品の在庫数削減、廃棄ロス減少を実現して収益性を高めるというもの。

通常は各病院にて備蓄されて使用されており、特に使用頻度が少ない稀用医薬品において使用期限による廃棄ロスが多いという課題の解決を目指す。また、緊急を要する医薬品配送において、ドローンを活用することにより病院への効率的な供給サービスを構築する。

配送業務フロー

実証は、檜原診療所と特別養護老人ホーム 桧原サナホーム(いずれも所在地は東京都西多摩郡檜原村)の約2.4kmの距離で実施。第三者上空を含む飛行ルートを、物流用ドローンが自動操縦で稀用医薬品の保存に使われるアンプルを配送し、オペレーションの検証を行なった。

実証の実施地区および遠隔運航管理室

ドローンの運航はレベル3.5飛行とレベル4飛行を実施した。レベル3.5飛行は無人地帯での目視外飛行、レベル4飛行は有人地帯での目視外飛行。使用機体は、レベル3.5飛行が「AirTruck」、レベル4飛行が「PF2-CAT3」で、いずれもACSL社製。

飛行ルート
AirTruck(左)、PF2-CAT3(右)

レベル3.5飛行では、多数の医薬品を短時間で効率的に配送するために、1人の操縦者に対して2機のドローンを同時に運航する1対2運航での効率性を検証した。

レベル4飛行では、都心部でのサービス実証を見据え、操縦者をはじめとする運航に携わる者に対しCRM訓練を導入し、より高い安全性を確保したオペレーションの検証を実施した。

各運航は、東京都千代田区のKDDIスマートドローンのオフィス内に設置した運航管理室より遠隔で行なった。

検証の結果、構築した手順および体制が問題なく運用でき、安全性の向上および効率的な配送の検証を確認できたという。

また、目指しているビジネスモデルに対しては、効率的な受注から納品まで一気通貫の配送フローの検証を実施。医薬品配送の発注から荷物の受領までのドローンによる配送業務フローのプロセス構築を行ない、ロールプレイの実施により精微化し、実装に向けた体制構築したとしている。