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米司法省、グーグルにChrome売却を要求 「行き過ぎた介入」とグーグル

米司法省は、Googleの検索に対する独占禁止法違反訴訟において、Webブラウザ「Chrome」の売却や、スマートフォンOS「Android」の分割などを盛り込んだ是正案を米連邦地方裁判所に提出した。

司法省では、Googleの検索とWebブラウザにおける高いシェアを持っていることが、結果として「検索」と「広告」の市場独占につながっていると指摘。また、AndroidやChromeの成長背景において、これらのシェアを競争優位になるように使っているとしている。

そのため独占の要因になる、WebブラウザのChromeの売却を要求。また、Androidの分割については、Googleや他の市場参加者からの反対があるとし、検索サービスや検索テキスト広告の独占を優遇する能力を制限する提案を行なう。その後もAndroidの支配が続く場合は、「Android売却も選択肢」としている。

Googleは、司法省の提案について「極端な提案」とし、「アメリカ国民とアメリカのグローバルな技術的リーダーシップに悪影響を及ぼすような、急進的な介入主義的アジェンダを推進している」と強く反論。「何百万人ものアメリカ人のセキュリティとプライバシーを危険にさらし、ChromeやAndroidの売却を強制することで、製品の品質を低下させるもの」としている。

また、アメリカ人による検索クエリを外国企業や国内企業に開示することになること、AIへの投資を冷え込ませる要因になることなどにも言及している。さらに、Chromeの競合ブラウザであるMozilla「Firefox」が、Google 検索により収益を得ていることから、こうした周辺サービスへも打撃を与えるとする。

Googleは、「前例のない政府の行き過ぎた介入であり、今必要とされるアメリカのグローバルな経済および技術的リーダーシップを危うくする」と反論。12月にはGoogleからの提案を発表し、2025年にはより広範な主張を行なっていく。