ニュース
山の上ホテル、外観を維持して明治大学が継承
2024年11月15日 16:24
明治大学は、多くの文豪が利用したことで知られる「山の上ホテル」の土地と建物を11月15日付で取得した。
東京・神田駿河台の「山の上ホテル」は、川端康成、三島由紀夫、池波正太郎など、作家の定宿として利用された。また、出版社が多い神保町に近いことから、創業当初より作家が「カンヅメ」で執筆するため宿泊したことなどで知られていたが、「建物の老朽化への対応を検討する」とし、'24年2月に休館していた。
明治大学の本拠地である駿河台キャンパスは、山の上ホテルに隣接している。同校の2031年の創立150周年を記念事業の一環として、山の上ホテルを取得し再整備することとした。山の上ホテルの現状の外観を維持したまま必要な改修工事を施し、専門業者と連携してホテル機能を継続させる。
また、学生支援、地域連携、社会連携の機能としても利活用できるよう検討し、「明治大学の新たなシンボル」として継承していく。
山の上ホテルは、1937年に米国の建築家であるヴォーリズ氏(William Merrell Vories)の設計により、明治大学の専門部女子部校舎建設も支援した佐藤慶太郎氏の寄付を基に、当時の生活困窮者の生活改善などを目的に全国的規模で展開した「大日本生活協会」の本部「佐藤新興生活館」として建設された。戦時中は旧海軍が、戦後はGHQに接収されWAC(米国婦人陸軍部隊)の宿舎として使用され、その後返還されて、1954年1月から山の上ホテルとして運営していた。