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ソフトバンクグループ、純利益1兆円超え OpenAIなどAI投資加速

ソフトバンクグループ取締役専務執行役員CFO兼CISOの後藤芳光氏

ソフトバンクグループは、'25年3月期第2四半期の決算を発表した。純利益は1兆53億円で、前年同期から約2兆4,000億円の増加。前年同期は1兆4,087億円の赤字だった。

投資損益は2兆6,510億円。ソフトバンク・ビジョン・ファンド(SVF)の投資損益が5,998億円の黒字となった。さらに、累積の投資損益も黒字に転換。9月に実施された資金調達ラウンドでは、OpenAIに5億ドルを投資。調達後の企業価値は1,570億ドルに達するなど、AI投資を拡大している。

そのほかにも、米Tモバイルへの投資も業績に大きく貢献。株価は過去最高値を更新。'13年に投資したスプリントが'20年にTモバイルと合併し、現在の株式価値は約3.9兆円と投下資本の約10倍に達している。

子会社のArm(アーム)も上期のロイヤリティー収入が前年同期比で20%増加。ライセンス収入はIPO時の見通しを大幅に上回る見通し。

財務面では、ネットアセットバリュー(NAV)は29兆円、ローン・トゥ・バリュー(LTV)は12.5%と健全性を維持。手元流動性は3.8兆円を確保し、今後の大型投資に備えるとしている。

今後の戦略について、後藤芳光氏は「キャッシュをどのように使うかは、成長資金、財務の安定、株主還元の3つのバランスを追求することにある。特に、企業価値の拡大のために成長投資や新規投資を最優先にしたい。今後のAI時代に備え、投資すべきテーマや企業を見極め、グループ全体で成長を支えていきたい」と話した。