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ChargeSPOT事業拡大 クレカのタッチ決済、太陽光蓄電、推し活
2024年11月8日 13:41
モバイルバッテリーシェアサービス「ChargeSPOT」を運営するINFORICHは7日、新規事業や新しいタイプのバッテリースタンドなどについて発表するカンファレンス「INFORICH CONFERENCE ExSPOT 2024」を開始した。
新たに発表されたバッテリースタンドは、クレジットカードのタッチ決済でモバイルバッテリーを借りられるタイプと、コンセント不要で屋外に設置できる再生可能エネルギー(太陽光)による蓄電対応スタンド。
現在、ChargeSPOTの利用はアプリでのQRコードスキャンが必須であり、既にスマートフォンの充電が切れている場合は利用できない。新たに導入するクレカのタッチ決済バッテリースタンドは、スマホの充電が切れていてアプリが起動できない状態でもレンタルが可能になる。
現在は海外での実証実験が完了しており、設置についてもまずはオーストラリアやヨーロッパなど海外での展開を予定している。設置開始日は2025年3月以降。
被災地で無料開放 災害対応の必要性
太陽光による蓄電バッテリースタンドは、屋外でのコンセント有無に関わらず、太陽光を得られる場所であれば設置が可能。現在も屋外型バッテリースタンドを渋谷区の宮下公園に設置しているが、同バッテリースタンドは屋外であってもコンセントからの蓄電が必要となる。
太陽光蓄電バッテリースタンドを新たに設置することで、通常時に蓄えられた電力を利用し、停電時であってもバッテリーをレンタルでき、災害時にも対応する。1台につき5台のモバイルバッテリーを収納可能。設置場所は未定としているが、公共の公園や観光地などを想定。設置開始日は2025年を目標に調整している。
INFORICH 取締役兼執行役員COO 高橋 朋伯氏は、ChargeSPOTの国内での利用実績について「月間レンタル数が170万回を超え、2019年と比較すると228倍に伸張。47都道府県すべてに設置しており、2024年6月末時点で月間アクティブユーザーは約100万人を超えている」と説明。
スマホが連絡手段としてだけでなく決済端末として利用されるようになり、日常生活においてスマホの必需性は高まっており、ChargeSPOTもインフラとしての必要性がより高まっていると主張。
「その中でChargeSPOTは災害時対応にも注力しており、自治体と防災協定を結ぶほか、被災地では48時間モバイルバッテリーを無料開放するなどの取り組みを行なっている。太陽光で蓄電できるバッテリースタンドは、災害時のインフラとして今後ますます需要が高まる」と高橋氏は話す。
推し広告をChargeSPOTサイネージに個人が出稿
直近での取り組みとしては、「ChargeSPOT」デジタルサイネージの広告枠を個人が購入し、好きなアーティストやタレントを応援できる「CheerSPOT」を発表。11月中の国内開始を予定している。
アーティストやタレントの写真を使って、ファンが応援メッセージを駅広告などに出稿するいわゆる「応援広告」は日本でも広まりつつあり、従来は個人が所属事務所に許可を取るなどして出稿を実現していた。
CheerSPOTでは、パートナー提携を結んだアーティスト事務所のタレントであれば、ファンが広告料を払って該当アーティストの応援広告をChargeSPOTのデジタルサイネージに掲載できる。素材はアーティスト事務所が提供するため、権利上の問題もクリアになっており、安心してアーティストの応援が可能としている。
現在はLDH JAPANとパートナーシップ協議を行なっており、今後はVtuberやアニメIPとの取り組みも予定している。また、ChargeSPOTを展開する海外7地域でも同時に複数社ともパートナーシップについて協議中。
出稿料はサイネージの場所や期間によって異なるが、1枠の配信単価は420円~(税別)。1枠は1台につき15秒、1週間単位(月曜~日曜)。
出稿方法は、CheerSPOTアプリから、応援したいアーティストを選択。応援メッセージを表示したいエリアを選び、日付と時間を設定する。応援メッセージの素材を選び、デザインを決定し、決済をすれば完了となる。掲載できるデジタルサイネージは日本国内だけでなく、海外のChargeSPOTも可能。
応援メッセージを投稿できるのはCheerSPOTのパートナーになっているアーティスト事務所に限り、応援したいアーティストがパートナーに含まれていない場合は、応援を投稿することはできない。
アーティスト側のメリットとしては、ChargeSPOTのサイネージ上でファンに限らず多くの生活者の目に触れる機会を創出できるほか、ファンが購入した応援メッセージ掲載料の一部が還元され、その先の活動に有効活用できるとしている。
サービスリリース時には、期間中に1人1回あたり3万円まで無料で利用できるキャンペーンも実施予定。実施期間は提供開始から12月末まで。
多言語対応AIコンシェルジュ「NaviSPOT」
観光地向けのバッテリースタンドとして、AIコンシェルジュ機能搭載「NaviSPOT」も開発中。シンガポールの地下鉄駅やバス停などに12月以降の設置を目指し、日本国内では2025年からの展開を目標としている。
多言語での乗り換え案内や、店舗でのバーチャル対応などができるバッテリースタンド。観光中の地図や交通案内の読み取り、店舗でのコミュニケーションなど、インバウンド旅行者の困難を解消し、観光地や店舗での顧客体験向上を目指す。
搭載するAIによって提供できる機能が異なり、設置場所でのニーズに合わせて機能を選べる。今後予定している機能は、交通案内やルート案内、店舗、施設内の案内、店舗でのバーチャル対応によるコミュニケーションサポート、店舗顧客の属性・データ収集と分析など。