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KDDI、セキュリティ企業のラックを完全子会社化
2024年11月7日 21:40
セキュリティ企業のラックとKDDIは7日、ラックの普通株式の公開買付けによる完全子会社化に関する取引に合意したと発表した。買収総額は約246億円。
KDDIとラックは2007年に資本提携し、新サービスの共同開発やクラウド・IoT領域への拡大などで協業し、関係性を深めてきた。今回の取引を通じ、ラックのサイバーセキュリティーに関する知見と、KDDIのネットワークサービスなどの経営資源を集約し、顧客に最適なソリューションを提供できる体制を構築。より迅速に市場変化に対応できる体制とし、両社の事業成長と企業価値の一層の向上を目指す。
KDDIでは、完全子会社化の理由について、「あらゆる産業や人々の暮らしに通信やAIが溶け込む中で、サイバー攻撃により社会基盤そのものが機能不全に陥る危険性が高まっている。時代に即したサイバーセキュリティー対策の重要性が一層高まっている」と説明。ラックのサイバーセキュリティーサービスと、KDDIのネットワークサービスを一体化し、コンサルティングから監視・運用まで一貫したサイバーセキュリティーサービスの展開を目指す。
既存事業においても、両社のソリューションを組み合わせ、顧客や販路でのサービスを拡充。セキュリティーサービスの一体化やリソースの最適化を図る計画。
また、ラックが保有する運用・監視サービス、緊急対応サービス、診断サービスなどを通じて蓄積されたサイバーセキュリティーに関する脅威情報を、KDDIのAI技術やデータ分析技術を駆使し、自動的に高度処理する。これにより、データ基盤や分析基盤を統合し、サイバー攻撃に関する動向を可視化できるサービスの開発などを目指していく。