H3ロケット4号機打上げ成功　防衛省の通信衛星が3機体制に

11月4日に打上げられたH3ロケット4号機(写真提供：JAXA)

JAXAは、H3ロケット4号機による、Xバンド防衛通信衛星「きらめき3号」の打上げに成功した。打上げ日時は、11月4日15時48分00秒。ロケットは計画通りに飛行し、約29分11秒後に「きらめき3号」を正常に分離した。

きらめき3号は、防衛省が作戦部隊の指揮統制や作戦情報支援など、部隊行動に関わる重要な通信を担う周波数帯としているXバンドによる通信を行なう衛星。今後防衛省は、静止軌道上での性能確認試験を行なった後、2024年度中に運用を開始する予定。

これにより、防衛省が保有するXバンド通信衛星は、予定していた3機体制が整ったことになる。

防衛省の指揮通信システム部長 加藤康博 空将補は打上げ後の記者会見において、「現在、自衛隊の統合運用、高度化などにより通信の重要性はますます高まっている。きらめき3号は、これまで利用してきた民間通信衛星に代り、陸海空自衛隊の横断的な通信を可能にし、海外など広域で活動する部隊との必要十分な通信が可能になる」とコメント。従来の衛星に比べて通信速度や通信帯域が大幅に向上するという。

きらめき3号は、日本の上空の静止軌道上に位置することになり、きらめき1号、きらめき2号と連携することで、海外を含め、自衛隊が活動するほぼすべてのエリアを、防衛省管轄の衛星でカバーできることになる。

きらめき3号は2017年から開発を開始し、開発及び打上げ費用の合計は約700億円。