ブリヂストン、月面探査車向けタイヤを共同開発

ブリヂストンは、アストロボティック テクノロジーと月面探査車向けタイヤ開発の協業契約を締結した。

ブリヂストンは、2019年から月面探査車用タイヤの研究開発を開始。これまで、第1世代と第2世代のタイヤコンセプトモデルを開発し、地上走行試験やシミュレーションを実施。トヨタが開発する与圧ローバー「ルナクルーザー」への採用を目指している。

また、アストロボティックは、6種類の月面探査車開発や、NASAからのローバー技術契約37件など、17年間にわたる月面探査車の開発実績を持つ。

共同開発するタイヤを装着予定のアストロボティックの月面探査車「24U CubeRover」は、月面における科学調査機器とペイロード(積載物)の移動手段となり、電力、通信を提供する。中型サイズのローバーで、優れたハンドリング性能やサスペンション、長距離通信機能を兼ね備える。

開発予定のブリヂストンのタイヤは、金属製スポークを採用し耐久性を確保しながら、柔らかく変形することで、月面にある岩などの障害物を乗り越えて走行が可能。外部からの衝撃を吸収し、走破性とエネルギー効率の向上にも繋がるため、月面探査車の駆動系への負担軽減と、月面探査ミッションを長期間足元から支えることが可能になる。

今後両社は、月面への打ち上げと宇宙での熱環境におけるタイヤの耐久性について確認する予定。