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アップル、AI本格導入 「Apple Intelligence」開始(米国)

Appleは、iPhone、iPad、Macのユーザー向けとして、Apple Intelligenceの初期機能を提供開始した。iOS 18.1、iPadOS 18.1、macOS Sequoia 15に搭載される。当初は英語版のみが提供され、日本語への対応は2025年4月以降の見込み。

Apple Intelligenceは、Appleシリコンを活用したパーソナルインテリジェンスシステムで、AIにおけるプライバシーを確保しながら、言語や画像を理解して生成したり、複数のアプリにわたってアクションを実行したりできる。まずは初期機能が提供され、今後、多くの機能が数カ月間にわたって提供される予定。

対応機種は、iPhone 16、iPhone 16 Plus、iPhone 16 Pro、iPhone 16 Pro Max、iPhone 15 Pro、iPhone 15 Pro Max、A17 ProまたはM1以降を搭載したiPad、M1以降を搭載したMac。

作文ツールで文章作成・校正も

OSに統合された作文ツールにより、メール、メッセージ、メモ、Pages、他社製アプリなど、ほとんどすべての文章を書く場面で、書き直し、校正、要約などが可能。

「書き直し」を使うと、自分が書いた文章を元にした様々なバージョンを提示。読者や作業中のタスクに合わせて、表現方法を「プロフェッショナル」「簡潔」「フレンドリー」に調整できる。

「校正」は、文法、言葉づかい、構文をチェックするほか、編集の候補をその説明とともに提案。ユーザーが承認すればすぐに反映できる。テキストを選択して、読みやすい段落、箇条書き、表、リストなどの形で要約も可能。

Siriもより自然で、文脈に即し、緊密にシステム体験に統合される。iPhone、iPad、CarPlayで作動している時は、画面の縁を囲うように光り輝く、新しいデザインを採用した。

より豊かな言語理解の能力を備え、ユーザーが言葉につまづいても話についていきながら、1つのリクエストから次のリクエストへと文脈を保てる。膨大な製品知識も備え、Apple製品の機能や設定に関する何千もの質問にも回答可能。

写真の検索も自然言語で可能

写真アプリも進化。自然な言葉づかいで検索ができ、ユーザーは「Maya skateboarding in a tie-dye shirt(マヤがタイダイシャツを着てスケートボードをしている)」など、探しているものを説明するだけで検索できる。ビデオも検索可能で、ビデオの特定の部分で起きたことを検索して、すぐにそのシーンを表示できる。

不要な対象物や人物を写真から取り除くクリーンアップツールも搭載する。

また、メモリー機能により、説明を入力するだけで、好みのムービーを作成可能になった。言語と画像を理解する能力により、ユーザーの説明にもとづいて写真とビデオを選び、写真から特定されたテーマにもとづいてチャプターに分かれたストーリーラインを作成。独自の流れのある物語のムービーに仕上げる。

電子メールの管理機能も強化。優先メッセージ機能により、当日のランチの招待や搭乗券など緊急性の高いメッセージを優先的に表示する。メッセージを開かずに要約を確認することも可能。スマートリプライにより、素早く返信するための提案が提供されるほか、電子メールの質問を特定し、すべてに確実に回答できるようにする。

通知の要約も可能で、長い通知や積み重なった通知を素早く確認可能。グループチャットでのやりとりが特に頻繁になったときなどに、ロック画面に重要な詳細を表示する。新しい集中モードとして「さまたげ低減」も搭載。すぐに確認する必要がある通知のみを表示する。

メモアプリと電話アプリは、音声の録音や文字起こし、要約が可能。通話中に録音が開始されると、参加者に自動的に通知が届き、通話が終了すると重要ポイントの要約が生成される。

12月以降から、さらに多くの機能を提供。説明を入力するだけでオリジナルのジェン文字を作成したり、新しい画像の作成やラフスケッチからの画像生成機能、作文ツールのさらなる強化などを実施。iPhone 16の新しいカメラコントロールは、目の前にあるレストランの詳細を把握したり、特定の商品を購入できる場所を探すためにGoogleで検索したい場合や、ChatGPTを活用したい場合の他社製ツールへのゲートウェイとしても機能するようになる。