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関西エリアで「タッチ決済乗車」538駅に本格拡大 「交通乗車の新ステージ」

10月29日の始発から、関西エリアで大手私鉄各社のタッチ決済乗車対応が拡充する。三井住友カードの公共交通機関向けソリューション「stera transit」が、Osaka Metro、近鉄、阪急、阪神の関西エリア私鉄4社/548駅で本格導入開始され、タッチ決済での乗車の利便性を向上する。

関西エリアでは、南海や大阪モノレール、神戸市営地下鉄など8社がタッチ決済乗車に対応していたが、29日には4社が一斉導入し、12社に拡大。「東は近鉄名古屋駅から西は神戸高速線の高速長田駅まで、タッチ決済の利用エリアが一気に広がる」(三井住友カード 大西幸彦社長)とし、2025年3月には関西全体で780駅で利用可能になる予定だ。

JR系を除く、関西エリアのほとんどの路線でタッチ決済乗車に対応する
開始前日の28日には対応各社や三井住友カードらでテープカットを実施

2025年の大阪・関西万博に向け、海外・国内各地域から多くの来訪者が関西エリアに来ると予想される。そのため、諸外国を中心に普及が進むカード(クレジット、デビット、プリペイド)のタッチ決済による鉄道乗車サービスを関西エリア全体で本格展開する。「明日(29日)から交通乗車の新しいステージが始まる」(三井住友カード 大西幸彦社長)。

三井住友カード 大西幸彦社長

2025年1月19日に開業する万博の最寄り駅 夢洲駅にも導入される。現在、海外からの訪問客の切符購入で、券売機の混雑が見られ、「オーバーツーリズム」とも指摘されている。クレジットカードやスマートフォンで鉄道を利用可能とすることで、こうした課題を解決し、海外訪問客を中心に関西エリアでの鉄道利用の新しいインフラになることが期待される。

すでにstera transitを先行導入している交通機関では、9割が国内利用者。1枚のカードで、交通乗車と買い物まで完結できること、ポイント付与などの特典から支持されているという。また、南海電鉄のデータでは、海外観光客の利用は韓国(32%)、中国・香港(15%)、アメリカ(9%)、台湾(9%)などアジア圏の利用者が多い。

また、鉄道会社をまたいだ相互利用にも対応する。対応カードは、対象となる決済ブランドは、Visa、JCB、American Express、Diners Club、Discover、銀聯。Mastercardは順次追加予定で、「実務的な準備中。万博までには用意できるようにしていきたい」とした。

三井住友カードでは今後、stera transitのデータと連携したMaaSアプリも展開予定。複数の交通期間をつなぐだけでなく、決済や情報サービスと連携するなど、MaaSの基盤としても活用していく。企画券の販売は2025年3月を予定している。

中川家(剛/礼二)や村井美樹さんが登壇