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H3ロケット4号機打上げ、10月30日に延期 第2段エンジンに問題も解消済み

H3ロケット3号機の打上げ(画像提供:JAXA)

JAXAは、10月26日に予定されていたH3ロケット4号機による、Xバンド防衛通信衛星「きらめき3号」の打上げを、10月30日15時46分~17時30分の間に行なうと発表した。打上げ予備期間は10月31日~11月30日。打上げ場所は種子島宇宙センター 大型ロケット発射場。

H3ロケット4号機は当初、10月20日の打上げを予定していたが、H-IIAロケット49号機の打上げが天候の影響でずれ込んだことを受け、10月26日に再設定されていた。

今回の延期理由としてJAXAは、射場でのロケットの機能点検において、第2段エンジンの燃焼室冷却バルブ(CCV)の作動時間が一時的に規定を超過する事象が発生したためとしている。その後の機能点検で問題は解消しているが、打上げに万全を期すため、原因となった部品とその影響を受けた可能性のある部品の交換や類似個所の点検を行なう。

きらめき3号は、防衛省が作戦部隊の指揮統制や作戦情報支援など、部隊行動に関わる重要な通信を担う周波数帯としているXバンドによる通信を行なう衛星。

H3ロケットは、7月1日に3号機が運用1号機として打上げに成功。先進レーダ衛星「だいち4号(ALOS-4)」の軌道投入に成功している。今回はこれに続く4号機の打上げで、H3としては初となる静止トランスファー軌道への投入を実行する。また衛星分離後には、将来のロングコーストミッションを見据えたデータ取得を行なう予定。