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酸性・アルカリ性など強刺激物に対応した紙容器 DNPが開発
2024年10月17日 12:02
大日本印刷(DNP)は、酸性やアルカリ性、高濃度アルコールなど刺激の強い内容物への耐性を備えた紙製の液体容器を開発した。日用品・薬品・農薬等のメーカーに展開する。
酸性やアルカリ性などの刺激の強い内容物は従来、ガラスや金属、プラスチックの容器が利用されていた。これを紙容器に置き換えることで、環境への配慮、使用後の廃棄の簡便化、輸送コストの低減などが期待できる。
開発した紙容器は、食品用に提供してきた液体紙容器の耐性を高めたもの。紙容器の複数の層の構成を独自に工夫することで、刺激の強い内容物に対する耐性を高めている。高濃度の業務用洗浄剤等の日用品や薬品・農薬など、紙容器が使用可能な領域の拡大につながる。
紙容器は折りたたんだ形で、内容物を充填する工場に納入可能。ガラス・金属・プラスチックの容器と比べ、容器資材の輸送時や充填前の保管のスペースを縮小でき、物流や保管の効率が上がる。また、使用後に容器を折りたためることから廃棄も容易となる。
環境配慮の面では、プラスチックボトルを使用した従来の包材から同製品に切り替えることで、プラスチック使用量を約82%削減できるという。
そのほか紙容器は、ガラス・金属・プラスチックの容器の紙ラベルよりも印刷可能な面積が広く、様々なデザインで多くの情報を掲載できる。
今後は、キャップ形状の工夫や口径の大型化などの開発も進める。