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コクヨ、小学生向け「通学用バックパック」でランドセルの課題解決

コクヨは、福岡県田川市立伊田小学校の小学生242名(1年生~6年生)に対し、「通学用バックパック」の試作品を配布し、実証実験を開始した。実証実験の期間は12月4日まで。

この実証実験は、元小学校教員で現在は商品企画を担当する社員が、小学生の声をもとに開発した通学用バックパックの商品化を目指すもの。ランドセルに関する課題を解決するため、伊田小学校の小学生と共に製品を創り上げる共創活動を展開している。

実証実験の背景には、近年の小学生の荷物量増加がある。デジタル端末や水筒など、従来のランドセルでは収まりきらない荷物が増え、保護者からも悩みの声が上がっていた。同社は2023年に3回、同校でワークショップを開催。小学生から「月曜日と金曜日は上履きや体操服などの荷物がランドセルの中に収まりきらず、通学時は両手が荷物でふさがってしまう」という意見を収集。それをもとに、収容スペースを拡張できる布製の通学用バックパックを試作した。

試作品バックパックは、下部のファスナーを開くことで収容部を拡張可能。体操服や上履きなどを収納しやすい設計で、荷物が多い日もサブバッグなしで身軽に通学できる。荷物が少ない日はポケットを畳んでおける。素材はポリエステルを採用。本体重量は約990g。従来の人工皮革製ランドセルより軽量化しており、身体への負担軽減も期待できる。

実証実験では、希望する小学生に対して通学用バックパックの試作品を提供し、使い心地やデザインに関する意見をアンケートやヒアリングで収集。得られたフィードバックを製品改良に反映し、商品化を目指す。