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世界初、4G LTEとGPS搭載「鉄筋結束機」 KDDIとマックス

マックスとKDDIは、4G LTE通信、GPS機能を搭載した世界初の鉄筋結束機「コネクティッド ツインタイアRB-442T-C-B2C/1450A」を共同開発し、10月中旬に関東1都3県の鉄筋関連・資材・機械工具・金物店などを通じて発売する。順次、全国および海外にも順次展開していく。

鉄筋結束機は、住宅基礎や鉄筋コンクリート構造物などの施工で必要な鉄筋結束作業を効率化する電動工具。マックスが提供する充電式鉄筋結束機本体に、KDDI「WAKONX」のIoTネットワークサービス「グローバルIoTアクセス」を組み込むことで、4G LTE通信とGPS機能を搭載した。

Webアプリと組み合わせることで、鉄筋結束機の稼働データと位置情報をリアルタイムで可視化する。

GPSによりリアルタイムでイチがわかる

アプリでは、工具ごとの稼働状況や累積結束数のデータを一覧表示可能。どの現場でどれだけ活用されているかを把握し、工具の現場配置を効率化できる。

製品の位置情報も確認できるため、紛失・盗難時の追跡が可能。工具の動作を遠隔でロックすることで、盗難時のトラブルも抑止する。

このほか、工具ごとにエラーの発生状況をモニタリングし、不具合が起きた時は対処方法を確認することも可能。稼働実績をもとに、適切なタイミングでメンテナンスの推奨を知らせる。

工具ごとの結束数を現場ごとにモニタリング
現場ごとに工具を何台持っていて、どれくらい稼働しているか確認可能
工具ごとにエラーの発生状況をモニタリング

結束機の機能としては、円滑にワイヤを送り出すローラー付き「ワイヤ送りサポート」を採用し、1結束あたり0.5秒の結束スピードを実現。スムーズなワイヤ交換ができる「ワイヤ装てんアシスト機能」も搭載する。トリガ操作部はショートストローク化し、作業者の負担を軽減している。

ワイヤ装てんアシスト機能
トリガ操作部をショートストローク化

開発の背景として、技能労働者の減少や、時間外労働の上限規制といった建設業の「2024年問題」などによる人手不足が課題となっていることを挙げている。作業効率化が求められるほか、各種工具においても、現場での運用・保有資産としての管理・盗難抑止などをより効率的に行なうことが求められている。

従来の電動工具市場では、工具や電池パックに内蔵されたBluetoothとスマホアプリを活用して工具の稼働状況を管理するものはあったが、通信可能範囲が狭い、ほかの端末に依存するなど用途が限定的という課題があった。

そこで今回の4G LTE通信、GPS機能を搭載した鉄筋結束機を開発。実証実験を経て発売に至った。

本体サイズは、295×128×330mmで、質量は2.7kg(JP-L91450A装着時)。バッテリーはリチウムイオン電池。対象鉄筋は、D10×D10~D22×D22、D25×D19、D25×D13× D13、D16×D16×D13×D13、直径2.6~8の溶接金網。充電器、六角棒スパナ2.5、キャリングケースが付属する。