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HTC、PC/独立二刀流の新MRヘッドセット「VIVE Focus Vision」
2024年9月24日 16:09
HTC NIPPONは、スタンドアローンとPC接続のどちらも高いレベルで実現するVR/MRヘッドセット「VIVE Focus Vision」を発表した。一般向けに販売されるコンシューマエディションの価格は169,000円。9月24日から予約が開始されており、10月18日に発売する。予約特典としてPC接続用の有線ストリーミングケーブル(別売りでは29,000円)がプレゼントされる。法人向けも用意され、ビジネス向けの保証とサービスが含まれるビジネスエディションが214,000円。
「妥協しないXRデバイス」を標榜。PCと接続してハイエンドグラフィックスのVR/MRコンテンツが楽しめるヘッドセットと、スタンドアローン型で駆動するヘッドセットという「HTC VIVE」の2つのラインナップが融合した製品。「Meta Quest 3」や「PICO 4 Ultra」と競合する製品になる。
HTCは「VIVE」の名前でVRヘッドセットを市場に投入・開拓してきた。一方、PCと接続してハイエンドコンテンツを楽しむ製品と、スタンドアローン型で駆動する製品が分かれていたため、「VIVE Focus 3」に先端技術を加える形で、これらふたつのラインナップを融合したのが今回の「VIVE Focus Vision」になる。
特にPCとの接続は「ロスレスPCVR」を謳い、製品本体のUSB-C端子を経由する形で、DisplayPortストリーミングモードを用意する。これによりPCのハイエンドグラフィックスを忠実性高く表示でき、競合他社の製品に対するアドバンテージと訴求する。このPCVR用DisplayPortストリーミングモードでは、2024年中に120Hzの表示もサポートされる予定。
瞳や手のトラッキング機能を充実させたのも特徴。内蔵アイトラッキングによる自動IPD(瞳孔間距離)調整機能を備えており、これは家族や法人利用における、ユーザーの入れ替わりが多い環境にも最適とする。
前面の2つのカラーカメラにより奥行き感のある立体視パススルー表示を実現し、MR体験を向上。深度センサーを備えるほか、低照度下で手のトラッキングを補強する赤外線センサー(赤外線フラッドライト)も装備している。
また別売りのフェイシャルトラッカーを装着すれば、内蔵のアイトラッキングセンサーと連携して、口元など表情や動きをアバターと連動させることも可能になる。
チップセットはクアルコム製のSnapdragon XR2。ディスプレイは片目あたり2,448×2,448ピクセル、両目で5K解像度、最大120度の視野、リフレッシュレートは90Hzとなっている。
ハンドトラッキングは本体の4つのカメラと赤外線センサーを活用、26点でトラッキングする。スピーカー、マイク、3.5mmオーディオジャックを装備する。
法人利用も想定したタフ仕様
「VIVE」シリーズは法人向けとしてさまざまな分野に提供されてきた背景もあり、新製品には連続利用や多人数での利用などを含め、さまざまな耐久性を高める構造も盛り込まれている。法人向けの展開も引き続き注力していく方針。
サイズ調整を行なうベルト取付部分は、金属製にして耐久度を高めた。顔や後頭部に触れるパーツは、分離やメンテナンス、交換を容易にできる構造とした。
後頭部側に設置されるバッテリーは取り外して交換が可能で、ホットスワップに対応。交換時には本体内蔵の予備バッテリーで駆動する仕組みで(最大20分)、メインバッテリー交換時にダウンタイムが発生しないようになっている。
上記のフェイシャルトラッカーをはじめ、さまざまなオプションパーツによる高度なトラッキング機能が引き続きサポートされる。
HTC NIPPON カントリーヘッド セールス&マーケティング統括の小山直樹氏は、HTC VIVEシリーズがさまざまな業界で活用されてきた「多様性」が特徴とした。
HTCの台湾本社から駆けつけた副社長 HTCグローバルセールス&マーケティング統括のCharles Huang氏も、革新的な技術へのチャレンジはHTCのDNAであると紹介。NASAに採用され宇宙ステーションに送られ科学研究で使用されていることなど事例を示し、今後さまざまな技術がシームレスに繋がり「VIVE REALITY」と呼ぶ世界観ができあがることをアピールした。
