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メルカリ、“3タップ”で出品可能に タイトルや説明、価格をAIが入力

メルカリは、「メルカリ」に最短3タップで出品できるという新機能「AI出品サポート」の提供を開始した。全ユーザーを対象に段階的に提供される。

メルカリはこれまでも出品を簡単にする機能を提供してきたが、アンケート調査の結果、商品名や商品情報の入力、値付けは、依然としてハードルが高いと感じるユーザーが多かったという。そこで、さらに踏み込んで、生成AIによる解析や文章の提案を活用して簡単に出品できる機能を開発した。

「AI出品サポート」は、写真を撮影して出品カテゴリーを選択するだけで、AIが出品タイトルから説明文、価格、状態までを自動入力してくれるというサポート機能。提案された商品名や説明、価格といった項目はいずれも出品前に編集が可能。

どういった説明を書けばいいのか分からないメルカリの初心者や、複数の商品を出品している人が便利に使えるとする。また、初期設定が「オン」で提供されるため、多くの人の利用を見込み、いずれは全ユーザーに利用が浸透することが目標としている。

最短3タップで出品

「AI出品サポート」の利用手順は、最初に写真を複数枚撮影してアップロードする。次にカテゴリーを選択すると、生成AIが写真を解析して、タイトル、説明文、商品状態、販売価格など、出品に必要な情報を自動入力し提案する。最後に内容を必要に応じて編集するなどすれば、出品の準備が完了する。これらにより、最短3タップで出品が可能と謳う。

最初に商品の写真を撮影。タグや裏面の詳細を撮影するとより正確になる
出品カテゴリーを選択。ある程度まで提案される場合もある
生成AIが解析・提案する
薄緑でハイライトされているのが自動入力された部分で、編集が可能
価格も類似品があれば提案される
正式な名前が分かりにくい商品の例
スターバックスのブラックタンブラーと判定
こちらはCDのパッケージを撮影したところ。アーティストや曲名など詳細が自動入力されている

写真撮影時は、商品全体のほか、商品のタグや裏面の詳細情報といった、情報を得やすい部分も撮影すると、より良好な結果を得られる。限定版CDのようにさまざまなバージョンが存在する場合も、面倒な入力をすることなく、AIの解析により正確な情報を得られるという。

価格については、同じ商品の出品例を参考に価格を提案する。過去数回の出品があれば、参考として価格が提案され、出品数が多いほど正確になるとしている。商品状態について“未開封・新品”や“中古品”といった判定も行なわれるが、中古品を新品と判定して提案しないよう、現時点では厳し目の判定になっているという。発送時の梱包サイズについては、過去に出品された類似商品の発送例を参考に提案される。

「出品」をより簡単に 「カテゴリー」も自動判定へ

メルカリ Supply Team Directorの菱井康生氏

メルカリ Supply Team Directorの菱井康生氏は、「メルカリに出品意向があっても出品していない人は、3,600万人もいる。悩んでいる人に、簡単・便利になるようサービスを改善する必要がある。課題をテクノロジーを活用して解決していきたい」と、AI出品サポートを開発した背景を語る。

今後は、現状は個別の操作が必要な出品カテゴリーの決定について、生成AIで判定可能としていく。また、生成AIが提案した文章と、実際の出品時に修正された内容を比較して、今後の改善に活かしていく方針。

「AI出品サポート」はひとまず既存ユーザー向けの形だが、利用が浸透することで、やがては出品をためらっている3,600万人にもリーチできるようになる、という考え。基本的にすべての出品カテゴリーをカバーする機能になっており、「可能な限り、100%使われるようにしていきたい」(菱井氏)と、ほとんどすべてのユーザーに向けた機能として開発されている。

また出品に限らず、メルカリを利用する全てのプロセスでUI・UXの改善を進めていくとし、「梱包や発送についてもさまざまな面倒をなくしていく。面倒な手間は可能な限り減らせるようにしていく」(菱井氏)と、意気込みを語っている。