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無印、宿泊事業の新プロジェクト「MUJI room」
2024年9月5日 12:20
良品計画は、無印良品の世界観を体感できる空間を既存の宿泊施設の中につくる、宿泊事業の新プロジェクト「MUJI room」を開始する。
良品計画では、宿泊施設や住居のあり方を見直し、ライフスタイルを変革するための試みとして、遊休資産等を活用した宿泊事業「MUJI STAY」を展開。その中で、地域文化のショーケース「MUJI HOTEL」、地域の遊休資産を活用した滞在型宿泊施設「MUJI BASE」、「自然を、自然のままに楽しむ。」をコンセプトとした「MUJI Camp」を提供している。
MUJI roomはMUJI STAYの新たな取り組みで、ホテルや旅館、貸別荘など既存宿泊施設の中に、無印良品のある暮らしを体感できる場をつくるプロジェクトとして展開する。
インバウンドで多くの旅行者が日本に訪れている一方、旅行スタイルの変化などにより、空室が埋まらなくなった旅館・ホテルは全国に多く存在し、改善をするための資金の不足や、状況を打破できる企画が立てられないという課題を抱える施設も多いという。
MUJI roomでは、こういった事業者をバックアップしながら、地域とともに作り上げていく「地域共生型」スキームを展開する。また、空間デザインやサービスのみを業務として提供する「受託型」も用意する。
地域共生型では、良品計画が初期投資、PRと集客、予約管理まで担い、既存の建築・空間を活かしてなるべく小さなコストで空間づくりを実施する。また、空間設計や地域体験をプロデュースし、宿泊者向けサービスを開発することで、宿泊事業者にとっては初期投資なく空室だった部屋の稼働につながり、さらに宿や地域全体のPRにもつながるというメリットがあるとしている。
受託型は、事業者からの依頼で、空間デザイン・サービスデザインを良品計画が業務として受託するモデル。中長期の滞在や、地域性のある暮らしを感じる体験など、既存のホテル内で無印良品らしい空間を体感できる滞在体験を提供する。
受託型モデルケースとして12月1日に、大阪市此花区の「リーベルホテル大阪」内に「MUJI room LIBER HOTEL」がオープン。無印良品の世界観をデザインした、type AからDの4タイプの客室を各3室、計12室用意する。全タイプとも、アメニティやフードアメニティ、寝具などは、無印良品のアイテムを使用している。料金は68,000円/室~。
type Aでは「MUJI HOTEL GINZA」をモデルに、木を基調としたシンプルで使い勝手と心地よい眠りを追求している。type Bは土の手触りを感じるタイルを基調とした部屋で、良品計画が展開する「IDÉE」とともにセレクトした民藝・工芸品による空間演出を施している。
type AとBは、洗濯機や大型の冷蔵庫、ミニキッチン等の設備があり、中長期の滞在にも対応する。
type Cは最大4名で宿泊できるバンクベッドの部屋。木地や肌触りの良いファブリック、アクセントとなるタイルなどにより、楽しさと居心地の良さを感じられる空間としている。
type Dは最大6名で宿泊できるバンクベッドと広々としたリビングの部屋。窓際で景色を眺めながら腰掛けられるデイベッドや、みんなで使える大きなソファなどを設置している。
MUJI room LIBER HOTELの住所は大阪府大阪市此花区桜島1-1-35。宿泊予約は9月5日より、MUJI room公式サイトおよびLIBER HOTEL予約サイトで受け付ける。
地域共生型モデルケースは、2025年2月に奈良県吉野町の「坂本屋」内に、「MUJI room SAKAMOTOYA」が3室オープンする予定。滞在者のみが吉野町の地域文化を体験できる特別なプランや、吉野町を食で感じるフードアメニティなどを計画している。
坂本屋は創業1928年(昭和3年)から続く老舗旅館で、現在のオーナー・坂本壽一氏は3代目。金峯山寺を中心とした社寺が点在し、古くから桜の名所として知られる吉野山の参詣道沿いにある。部屋は全6室で、そのほか吉野山・中千本の自然を一望できる広間があり、隣にはカフェも併設されている。住所は奈良県吉野郡吉野町吉野山952。