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正確な距離情報を取得するBluetooth新機能 「チャネルサウンディング」

無線通信のBluetoothに新機能「Bluetoothチャネルサウンディング」が追加、紛失防止ソリューションなどが強化される。

Bluetooth SIGは3日(米国時間)、Bluetoothチャネルサウンディング(Bluetooth Channel Sounding)という新機能を発表。セキュアな高精度測距機能となり、Bluetooth接続デバイスに正確な距離認識機能を追加する。

近年、鍵、財布、バックパック、旅行かばんなどの個人の持ち物に取り付けるBluetoothタグが増えている。アップルのAirTagはその一例だが、今後、Bluetoothチャネルサウンディングを活用することで、開発者は紛失防止デバイスに正確な距離認識機能を追加可能となり、ソリューションの精度とユーザーの使用感を高められる。そのためユーザーは、従来よりも簡単かつ迅速に紛失物の位置を特定できるという。また、デジタルキーソリューションのセキュリティや使い勝手の向上も期待できるとする。

Bluetoothチャネルサウンディングは位相ベース測距(phase-based ranging)を活用し、Bluetooth接続デバイス間で正確性の高い距離測定を可能とする。これにより、長距離でもcm単位の精度で、デバイス間の距離認識などを実現できる。安全性維持のため、堅牢な多層防御のセキュリティを採用。RTT(往復時間)ベースの距離制限などを行ない、攻撃から保護する。既存の無線設計を利用でき、追加の無線技術が不要な点も特徴という。

Bluetoothチャネルサウンディングは、3日にリリースされたBluetoothコア仕様バージョン6.0に含まれる。自動車キー規格を検討するIntelligent Car Connectivity Industry Ecosystem Alliance(ICCE)では、ICCEの自動車キー規格における測距方法の一つとしてBluetoothチャネルサウンディング技術の採用について検討中。今後、多くの業界で活用が想定されているという。