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災害用簡易トイレ「準備していない」が6割 セコム防災意識調査
2024年8月27日 09:45
セコムは9月1日の防災の日に合わせ、全国の20~69歳の男女500人を対象に「防災に関する意識調査」を実施した。将来的な災害増加への不安意識や災害用簡易トイレの準備などの防災対策を調査した。
災害の増加や被害が拡大する可能性があると思う人は全体の93.2%(高くなると思う:49.4%、どちらかと言うと高くなると思う:43.8%)と、9割以上が災害の増加や被害拡大を不安視しているにも関わらず、57.0%は防災対策をしていないことが明らかとなった。
防災対策をしている人の具体的な対策トップ3は、1位が「一定量の食料・生活用品の日常的な備蓄(ローリングストック)」(53.0%)、2位が「防災リュック(非常持ち出し袋)の用意」(48.4%)、3位が「除菌ウェットティッシュ、マスク等感染症対策グッズの用意」(42.8%)となっている。
1月に発生した能登半島地震では断水や停電でトイレの確保が課題となったが、災害用簡易トイレを準備していると回答した人は39.1%に留まり、6割は準備していないという結果となった。
災害用簡易トイレを準備している人が課題や不安として多かった回答が「準備している数で足りるか」(63.1%)。また、実際に準備している数は「1~3日分」(45.2%)が最多となった。
防災対策をしているものの災害用簡易トイレを準備していない人の、準備しない理由として最も多かったのが「どれくらいの数を準備すればいいか分からないから」(37.4%)であることから、セコムは必要な数の見極めが対策への第一歩になるとしている。
1月の能登半島地震とその報道を受けた、災害用簡易トイレへの意識変化については、54.0%の人が「重要だという意識が強くなった」(重要だという意識が強くなった:15.6%、重要だという意識がやや強くなった:38.4%)と答えた。
災害用簡易トイレ使用経験については、全体の91.8%が「使ったことはない」という結果となった。
災害の増加や被害拡大を懸念する人が93.2%に上るなか、防災対策をしていない人は57.0%であることについて、セコムIS研究所 研究員・濱田宏彰氏によれば、「自分は大丈夫だろう」という心理状態になる「正常性バイアス」、「ほかの皆もやっていないから大丈夫だろう」という「同調性バイアス」の2つの心理が働いているものと考えられるという。
災害への備えは、いかに“自分ごと化”できるかが重要と指摘し、自宅周辺のハザードマップを確認する、地域の防災訓練に参加するなどできることから行動するよう呼び掛けている。
今回詳しく調査した災害用簡易トイレについては、被災時は仮設トイレが届くまでに数日かかるほか、道路が寸断されていればもっと時間を要する可能性もあると指摘。トイレを我慢すると健康にも悪影響を及ぼすため、防災グッズの1つとして災害用簡易トイレを自分で準備することが重要としている。
準備していない理由として多く挙げられた「どれくらいの数を準備すればいいか分からない」点については、自分が1日に何回程度トイレに行くかカウントすることから始め、国が推奨する7日分の災害用簡易トイレを準備するよう説明している。
そのほか、防災対策をしている人のなかでも、家具や家電の転倒防止対策をしている人はわずか27.4%という結果について、災害が発生した時は身の安全を確保することが最優先であり、転倒防止グッズは量販店やインターネットで購入できるのでぜひ対策してほしいとしている。
セコムでは、過去の大地震で被災したセコム社員の声を検証し、「いざというとき本当に役に立つか」という視点で厳選した防災用品セット「セコム・スーパーレスキュー」を取り扱っている。価格はスタンダードが24,200円、プラスが35,200円。
また、防犯、防災など家庭の安全に役立つ情報を発信する「セコム防犯・防災ブログ」を公開している。
なお、災害用簡易トイレは転倒防止グッズと同様に量販店やインターネットで購入できる。