キリンと三菱重工、トラック荷積み・荷降ろし自動化で「2024年問題」対応

キリンビバレッジ、キリングループロジスティクス、三菱重工業(三菱重工)は、飲料倉庫への入出庫およびトラック荷積み・荷降ろしの自動化に関する共同実証を8月に開始する。荷役作業の改善および「2024年問題」対応の加速を図る。

物流業界における「2024年問題」への対応などを目的とした取り組み。トラックドライバーの労働時間削減が迫られているが、長時間労働の要因は運転時間に限らず、荷積み・荷降ろしといった倉庫作業による荷待ち時間も要因となることから、物流オペレーター不足や重量物ピッキングへの対策といった倉庫作業の効率化も必要となる。

一方、キリングループの倉庫における入出庫作業は有人フォークリフトや作業者による手作業が中心となっている。

こういった課題に対して共同実証では、三菱重工が研究開発を進める「ΣSynX(シグマシンクス)」を適用したソリューションの一環として、ΣSynXの搭載を目指して開発中の新型無人フォークリフトを活用。トラックの荷降ろしから荷積みに至るまでの一連の荷役作業の自動化を目指す。

具体的には、トラックの荷積み・荷降ろしに加え、倉庫作業での適切な荷揃え、配置替えや保管状況に応じた走行ルート変更、高効率の保管方法など、柔軟な自律運転と安全な人機協調作業の実現を推進。荷役作業の改善および「2024年問題」対応につなげる。

キリンと三菱重工の両グループは、自動ピッキングに関する共同実証を'22年11月から'23年6月にかけて実施し、物流現場への実効性が検証されたことから、'24年12月から海老名物流センターで「自動ピッキングソリューション」が稼働開始する予定。今回の共同実証で、「ピッキング」「入出庫」「トラック荷積み・荷降ろし」の3領域の自律化・知能化に取り組む。

共同実証の期間は'24年8月から'26年3月。場所は三菱重工 Yokohama Hardtech Hub内 実証施設「LogiQ X Lab」、三菱重工 神戸造船所内実証施設、キリングループロジスティクス 西名古屋支店、尼崎支店等。