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米政権、複雑な解約方法の規制など新たな消費者保護策

米バイデン政権は12日、会員や定期購読の解約のために面倒な手続きを強いられることなどを規制する、消費者保護の取り組み“Time Is Money”を発表した。複雑な手続きや長い待ち時間、対面や郵送手続きの強制など、消費者の負担を強いる手続きを取り締まる狙い。

ユーザーにわかりにくい誘導など、消費者側に不利で、企業側に有利な選択をさせるサイト設計などは、近年「ダークパターン」などとも呼ばれ、社会課題化している。この問題について、バイデン政権は「人々の時間とお金を浪費させている」と指摘し、こうした企業慣行の規制を目指す。

主な事例は、「還付金(リファンド)を受け取るために時間がかかる」、「ジムの会員や定期購読を解約するために面倒な手続きを強いられる」、「健康保険会社とのやり取りが不必要に複雑」、「オンラインの数回のクリックで完結できることで、対面や郵送を要求される」など。また解約阻止のための、紛らわしく長いフォームや、誤認を意図したようなフォームなども問題視している。

今後、数カ月のうちにこうした不公正な慣行の取り締まりのための行動を開始する。これにより、ジムの会員権から新聞、化粧品などの「定期購読や会員制サービスの解約を容易にする」ほか、「航空会社の払い戻しの迅速化」、「健康保険請求のオンライン化」、「カスタマーサービスの“ループ"の取り締まり」などを行なう。

一例として挙げるカスタマーサービスでは、サポートを受けようとする顧客が、迷路のようなメニューや自動録音に振り回され、時間を無駄にするケースが「あまりにも多い」と指摘。担当者と話す前に長いメッセージを聞かされることは、顧客の不満のトップになっていることから、すぐに人間と話せるよう義務付けるルール作りを開始。電話会社やブロードバンド会社、ケーブル会社、医療保険会社などに対し、監督官庁から要求していく。

政府では目指すべき原則を規定。「払い戻しやリベートは、企業がクレジットカードや銀行口座から資金を引き出すのと同じくらい迅速に支払われるべき」とするほか、定期購読やメンバーシップの解約も「入会時と同じように簡単にできるべき」と指摘。

チャットボットなどの新しい技術も、「払い戻しなどの基本的な責任を放棄するためではなく、迅速な応答時間で顧客サービスを強化するために使用されるべき」とし、サービス等の料金表にも「明確で透明であるべき」と示している。