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ドコモやSBIらが国産ロケット企業「インターステラテクノロジズ」に出資

宇宙ロケットの開発を行なうインターステラテクノロジズは、SBIグループやNTTドコモなどを新たな引受先とした第三者割当増資と、りそな銀行からの融資により、シリーズEラウンドで31億円の資金を調達した。これにより、補助金などを含めた累計の調達額は約170億円となる。

インターステラテクノロジズは、日本初のロケット事業と人工衛星事業の垂直統合を目指す企業。ロケット事業では小型人工衛星打上げロケット「ZERO」の開発が2023年9月、文部科学省の「中小企業イノベーション創出推進事業(SBIRフェーズ3)」に採択されている。今後2回のステージゲート審査を経て、2027年度までに最大140億円が交付されるもので、初号機打上げに向けて開発を進める。

人工衛星事業は、ロケット会社が有することで強みが最大化できる分野に特化し、SpaceXの「Starlink」を筆頭とした衛星通信事業への参入を目指す。インターステラテクノロジズが掲げる「衛星通信3.0」はスマートフォンなどの地上端末と直接つなぐことができ、地上通信網と同等の高速かつ大容量が可能な次世代通信で、2023年9月から、情報通信研究機構(NICT)との共同研究を開始しており、2024年6月には総務省の研究開発事業を受託している。

NTTドコモは、宇宙空間における大容量通信・コンピューティング処理基盤による「宇宙統合コンピューティング・ネットワーク」の実現を目指しており、インターステラテクノロジズの掲げる「衛星通信3.0」は、同社が取り組むネットワークの高度化・効率化に寄与する重要な革新的技術になるとコメントしている。