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Google Workspace、Gemini連携を強化 アプリやサイドパネルに対応

Google Cloudは、Geminiアプリでの「Gemini for Google Workspace」対応など、Google CloudとGoogle Workspaceの新機能を発表した。8月1日に開幕した「Google Cloud Next Tokyo '24」で最新の製品アップデートを紹介したもの。

Gemini アプリがGoogle Workspace対応

Gemini アプリでは、新たにGoogle Workspace向け拡張機能(ベータ版)を発表。Geminiアプリ上でGoogle WorkspaceのGmail、Google ドライブ、Google ドキュメントに連携できるもので、Geminiがユーザー所有ファイルや共有ファイルをデータソースとして参照できるようになるため、プロンプト内で参照先を指示して、メールの要約や検索、データ集計・整理など、企業における日常業務を大幅に効率化できるという。

これにより、複雑な開発や運用の手間なく、RAG(検索拡張生成)による自社データとの連携を可能とする。

例えば、市場調査結果を取りまとめたい場合、Gemini アプリのプロンプト内に、@Google Driveといれることで、拡張機能を呼び出しながら、「Cymbal社のヨーグルトの売上を分析し、製品別、顧客別に表にまとめてください」と指示すると、Geminiがアクセス権のあるGoogle ドライブ内のドキュメントとPDFファイルを参照。分析結果を製品別、顧客別のグラフを作成する。

Gemini アプリでは、棒グラフや折れ線グラフなどを生成する機能も備えており、会話からグラフを作成できるようになる。追加でGemini アプリに「上記の表を降順のグラフにし、表とグラフを併記して」と指示すると、Geminiアプリ上で棒グラフが表示され、グラフを画像としてダウンロードしたり、コピーしてスライドなどに貼り付けできる。

Gemini for Google Workspaceの拡張機能を搭載したGemini アプリは、企業向けの Gemini BusinessもしくはGemini Enterpriseアドオンで利用可能。一般のユーザーは、Google One AIプレミアム の無料トライアルで利用可能となる。

サイドパネルの日本語サポート

また、Google Workspaceの新機能である「サイドパネル」が日本語をサポートする。

サイドパネルには、Gemini 1.5 Proを搭載し、使用しているアプリを離れることなく、Geminiがコンテキストに応じたプロンプトを提案。メールのドラフトやレポート作成の時間を削減できるという。長いコンテクスト長に対応したGemini 1.5 Proモデルにより、数千ページのPDFなどの大容量ファイルでも、前処理することなくそのまま要約・分析できる。

Gemini アプリで作成した市場調査結果を元にGoogle ドキュメント上で市場分析まとめ、上司に共有する必要がある場合、右上の星型のアイコンをクリックしてサイドパネルを起動。下のウィンドウで「市場分析結果が含まれるスライド」を指定して「市場分析結果を挿入してください」と指示すると、サイドパネルは指定されたスライドを参照して、市場の分析結果をまとめた文章を作成してくれる。

Gmail、Google ドキュメント、Google スライド、Google スプレッドシート、Google ドライブのサイドパネルの日本語サポートは、9月にWorkspace Labsとアルファ版に移行。その後、一般提供開始予定。

Google Workspaceには生成AIの最新成果を含む、Googleの検索技術をシームレスに統合。Gmail、ドライブ、ドキュメント、スプレッドシート、スライド、カレンダーなどに含まれる企業のコンテンツやデータを包括的に検索できる。