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AI検索のPerplexity、パブリッシャー向けの収益還元を発表

AI検索サービスを展開するPerplexityは29日、出版社などパブリッシャー向けの収益分配プログラムを発表した。TIME、Der Spiegel、Fortune、Entrepreneur、The Texas Tribune、WordPress.comなどが賛同し、パートナー第1弾として参加している。

Perplexityは、検索特化型の生成AIサービスを展開。最新のWeb検索結果による精度の高い回答とその情報源を表示するのが特徴で、AIによるハルシネーション(誤った情報の伝達)を抑制しながら、精度の高い情報を得られる点が特徴となる。

一方、検索とその情報提供にあたって、「情報元」となるパブリッシャーなどのコンテンツに対した対価が支払われないことが議論を呼んでいた。同様の問題はOpenAIやGoogleなどでも生じており、パブリッシャーとの提携を進める動きも増えている。Perplexityでは従来、必ず引用元の表記を入れ、その情報の出典を明示してきたが、今回参加するパブリッシャーに対し、収益分配やAPIアクセスなどを提供し、対価の還元とともにデータの提供を行なう施策を発表した。

収益分配(レベニューシェア)は、今後数カ月内に開始する。ブランド(広告主)がPerplexityの回答エンジンのインターフェイスやページ上で、特定の関連する「フォローアップ質問」に対価を支払い広告出稿できるようになり、この関連する質問によるPerplexityの広告売上の一部をパブリッシャーに還元する。

ScalePost.aiとの協力により、プログラムの参加パートナーは、どのように自社のコンテンツが引用されているか、より深い洞察を得られるという。

また、パートナーは、PerplexityのOnline LLM APIへの無料アクセスと開発者サポートを受けられる。これにより、パブリッシャーが独自のカスタムアンサーエンジンをWebサイト上で構築でき、利用者がパブリッシャーのコンテンツのみを引用して質問し、回答を得られる。

さらに、出版社パートナーの全従業員が「Enterprise Pro」を1年間無料で利用できるようにする。将来的には、Perplexity Proと参加出版社のサブスクリプションをセットにした「バンドルサブスクリプション」などのコラボレーションも計画しているという。