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高輪ゲートウェイシティ、再エネ活用でCO2排出量「実質ゼロ」の街に
2024年7月30日 17:36
JR東日本、えきまちエナジークリエイト、ジェイアール東日本物流は、2025年3月下旬にまちびらきを迎える「TAKANAWA GATEWAY CITY(高輪ゲートウェイシティ)」において、再生可能エネルギーを活用したCO2排出量「実質ゼロ」を実現する街を目指す。
高輪ゲートウェイシティは高輪ゲートウェイ駅に隣接する、約10ヘクタールに及ぶ新しい街。複合棟2街区と、文化創造棟、住宅棟の計4街区で構成される。JR東日本グループが取り組む環境長期目標「ゼロカーボン・チャレンジ2050」の先導プロジェクトで、まちびらき時から街が提供するさまざまなサービスで使用するエネルギー全体でCO2排出量実質ゼロを目指す。
街全体で、水素・バイオガス・多様な再生可能エネルギーを活用。省エネ・創エネ・エネルギーマネジメントの仕組みの実装と再生可能エネルギー証書の活用等により、使用する電力を実質再生可能エネルギー由来とし、CO2排出量実質ゼロとする。
えきまちエナジークリエイトは、先進的な環境・エネルギー技術を取り入れたまちづくりの実現に向けて、需給一体のエネルギーマネジメントに取り組む。
複合棟のうちの1つ「THE LINKPILLAR 2」地下の地域冷暖房施設に、国内最大級の蓄熱槽を導入。効率の高いエネルギー供給を図るとともに、災害時に蓄熱槽の水を非常用水(一時滞在施設等のトイレ用水や消防用水など)として使用する。
また、快適性と街全体で高度かつ最適なエネルギー利用の両立に向け、建物内エリアをゾーン別に細分化して空調設備を運転制御する「デマンドレスポンス・ゾーン別空調管理システム2」を導入する。
そのほか、モビリティや物流などで水素利活用を推進する。2025年3月に、高輪ゲートウェイ駅に水素燃料電池システムを設置。再生可能エネルギー由来の水素を活用した次世代モビリティによる移動体験を提供する。将来的には、街の中で再生可能エネルギーにより水素を製造することを検討し、さらなる水素利活用を目指す。
物流に関しては、環境に配慮した次世代型物流プラットフォームを構築。6月に外部デポ(小型物流拠点)を平和島(東京都大田区)に整備しており、外部デポを活用した「集約型館内キャリー」では、域外からの荷物を一度外部デポに集約し、そこから効率的に街の中に配送を行なう。さらに、街の中への配送にはFC(燃料電池)トラックを活用。こういった配送の合理化・車両流入台数削減による、周辺渋滞緩和やCO2排出削減などを見込む。
食品廃棄物由来のバイオガスシステムを活用するサーキュラーエコノミーにも取り組む。2025年3月に、街の中に東日本エリア初のビルイン型バイオガス設備を設置。街の商業施設の飲食店等から出る食品残渣を資源として再利用し、発酵させてガス化することで、食品廃棄物の約7割の減量を見込むとともに、生成されたガスを燃料としてビル内のバイオガスボイラーを使用し、ホテルの給湯における約10%の熱を賄う。
これらの取り組み以外にも、街から排出されたCO2を回収し、街のくらしの中での有効利用を検討している。