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JR浜松町=モノレールの乗換がスムーズに 世界貿易センタービル建替
2024年7月22日 20:14
世界貿易センタービルディング、鹿島建設、東京モノレール、JR東日本が推進している「世界貿易センタービルディング本館・ターミナル」の建替えプロジェクトが2027年より順次開業する。
2021年に先行開業した南館に加え、今後開業を迎える本館・ターミナルには、日本初進出のラグジュアリーホテル「ラッフルズ東京」、商業施設(アトレ運営予定)、ワールドメディカルセンター、カンファレンス、観光プレ体験施設など、国際性・観光機能の特色がある施設が整備される。
また、本館は浜松町駅と一体化した構造で、JRやモノレール、バス、タクシー等の乗換をスムーズに行なえる「ステーションコア」と呼ばれる吹き抜け空間を整備。交通機関相互のアクセス性を大幅に向上し、JR浜松町駅からモノレール浜松町駅への乗換ルートも大きく改善。従来は異なる階層への煩雑な移動が必要だったが、開業後は同一階からフラットに乗り替えられるようになる。
プロジェクトでは、かつて江戸観光の中心的役割を果たし、明治期には迎賓館も整備されていた浜松町の「おもてなしの精神」を継承。浜松町駅の改札を出ると、街の玄関口として来街者を迎える空間として中央広場を整備し、屋外通路はすべてファサードが設置され、雨に濡れずに移動できる。
浜松町駅西口エリアにはA街区、B街区、C地区にわたり約18万m2のオフィス、ホテル、商業施設、カンファレンス、医療施設、観光プレ体験施設、住宅、芸術センターといった多種多様な機能を整備する計画。これにより浜松町を日本と世界をつなぐ“一歩目”に相応しいエリアとする。なお、オフィス棟などからなるB街区、住宅棟などからなるC地区は開業済み。
再開発エリア全体では、立体的なランドスケープ計画を行ない、旧芝離宮恩賜庭園と対をなす庭園を作り出す。
東京湾や旧芝離宮を臨むオフィス
本館7階は、明るく開放的なオフィスロビー、9階から34階は1フロア約850坪のオフィスが整備される。整形無柱のオフィスで、様々なワークスタイルにあわせた空間が実現可能。東京湾、東京タワー、旧芝離宮恩賜庭園など都心でも有数の景色を望むことができる。
ターミナル7階屋上には旧芝離宮恩賜庭園と視覚的につながった屋上広場を整備。中央部には、かつてこの地にあった大名屋敷・庭園の池泉形状をオマージュした大芝生広場を配し、多くの人に親しまれてきた庭園の記憶を現代に再構築する。
本館36階~46階にはアコーホテルズが日本初進出する「ラッフルズ東京」がオープン。高級ホテルの中でも最上級とする“ウルトララグジュアリーホテル”と位置づけられ、客室数は全130室。ラッフルズの特徴であるロングバーやライターズバーの他、各種レストラン、プール、フィットネス施設も完備する。
商業エリアはアトレを運営会社とし、ターミナル3~5階とモノレール浜松町駅2、3階に設置。商業施設は駅と直結する広場に面し、3フロアに渡って店舗の活気が滲みだすようなファサード構成としている。
あらゆる乗換をスムーズにする「ステーションコア」
「ステーションコア」と呼ばれる吹き抜け構造により、鉄道やモノレール、バス・タクシー等へのアクセス性を大幅に向上。交通機関の乗換をスムーズに行なえるよう分かりやすい空間構成としている。
モノレール浜松町駅は本再開発に合わせ建替え工事を実施中で、2029年12月に竣工予定。新駅は「東京モノレールシアター」をコンセプトに旅の高揚感を高め、ドラマが感じられる「劇場のような駅」に変貌を遂げる。
JR浜松町駅は線路を跨ぎ東西をつなぐ自由通路の整備に合わせ、北口の改良工事を実施。自由通路に面した位置へ改札を変更することで、周辺エリアとのフラットなアクセスが可能になる。
所在地は、東京都港区浜松町2-4-1。敷地面積は約16,000m2。延床面積は301,000m2。階数/最高高さは、本館が地上46階、地下3階/約235m。ターミナルは地上8階、地下3階/約55m。南館は地上38階、地下3階/約200m。